先月(令和二年師走)からB737Maxの運行再開されたようでそれはそれで良かったのだが気になるのは「MCASのソフトウェア修正”だけ”で問題解消出来たのか」という話。今回のトラブルは有る意味既知の分野で発生し(毎度の如く)設計段階で作り込まれたバグだから「問題を修正しました」で検証結果を監督官庁に報告するだけでなく二度も(過去の事例からすれば多いとは言えない。コメットの例は極端にしても)連続死亡事故を発生させた上にBoeing社の危機管理体制にも問題が有った為二年間もの飛行停止処分が同社の危機管理と品質管理体制刷新に繋がると信じたい。MCASの「バグ」については未熟なエンジニアが開発してたとか2つあるAOAセンサを片方しか見てなかったとか断片的情報が報道されたが正式に運行再開されたのだからFAAから正式な報告書が出ている筈で2020年11月18日付けでFAAから対空性証明が発行されている。
FAAとしては20ヶ月掛けて再検証したのだから今度こそB737Max-8,-9の安全性が担保されたと見るべきなのだろう。しかしながらこの20ヶ月で失った信用と経済的損失に加えて武漢肺炎支那コロナウイルスによる航空産業への打撃から政府支援を受けざるを得ない状況となりこれによる競合Airbusとの差は広がる一方でこれを挽回するには50年台のBoeingの如く崖っぷちでリスクを取る経営体制に戻るしか無いのではと外国の外野のド素人のオジサンは思うのですが。完璧な技術は存在しないのかもしれないが今回の事案はBoeing社の内部事情(焦りと慢心)が招いた人災との見方が大勢であり一度失った信用を回復するのは膨大な工数とコストが掛かるので同社の再起に期待しておきます。