XA100はXA101と共にUSAFから選択されずF135ECU(F135のアップグレード版)に決定されたと聞いている:
以下引用:
AETP比1/3のコスト、ライフサイクルで400億ドル削減
F-35ブロック4への能力向上を巡り、その搭載エンジンに関する議論が米国で繰り広げられていたが、米空軍が今年3月に「F135エンジン・コア・アップグレード(ECU)」を採択する決断を下したことで、ついに議論に終止符が打たれた。
議論の発端は、F-35がブロック毎に成熟度が高まり、段階的アップグレードが図られる一方、ブロック4の下では、現在同機に搭載されているF135エンジンでは発電能力や熱管理に課題が残るのではないかと指摘されていたため。そこでエンジンメーカーにより、「アダプティブエンジン移行プログラム」(AETP)の研究開発が進められ、「アダプティブエンジン」としてGEが「XA100」を、そしてプラット&ホイットニーも「XA101」の研究開発を進めた。
レイセオン・テクノロジーズ傘下のプラット&ホイットニーは「XA101」の研究開発を進めると共に、既存エンジンであるF135の能力を向上させる「F135ECU」(ECU)も提案。「アダプティブエンジン」への換装か、あるいは「ECU」で能力向上を図るのか、議論が繰り広げられた。
議論はどちらかといえば「アダプティブエンジン」採用へ傾いていたようにも思う。米国のシンクタンクであるヘリテージ財団も、「アダプティブエンジン」を支持していた。ところが蓋を開けてみれば、前述したように米空軍は「ECU」を選んだ。
レイセオン・テクノロジーズのグローバルガバメントリレーションズ担当シニアヴァイスプレジデントを務めるジェフ・ショッキー氏が取材に応じ、「ECUは最もコストがかからず、最も迅速かつスムーズにアップグレードを図ることが可能な手法」であるとの認識を示しつつ、さらに、「F-35ブロック4への対応も図ることが可能で、最もメリットの多い手法だと考えている」と話すなど、F35のアップグレードを図るに際して、「ECU」こそ、最も効率的かつ効果的な手法であるとした。※写真=インタビューに応じたレイセオン・テクノロジーズ政府関連担当シニアヴァイスプレジデントのジェフ・ショッキー氏
※この記事の概要
・超コスト効率に優れたECU
・F-35全機種に対応可能、重量バランスも変わらず
・熱管理問題で新冷却システム
・日本など国際パートナーにも利点、従来と60~70%共通部品に など
P&Wはレイセオン配下(UTCではないんだ)で上記もレイセオンがリリースしているので当然ながら良いことずくめとされている。今回はUSAFは新技術より直近の問題を費用対効果で選択したよう見えるし、それは正しいのだろう。まあ、GEにとっては可変サイクル(当時はそう呼ばれていたような)エンジンはYF120、F136、XA100と三連敗(F136は可変サイクル止めたんだっけか?)とこの技術は海軍主導のF/AXXに縋る長期レンジになりそう(結局採用されないかもしれないが)。
ここまで歴史が確定しているのにのりものニュースの世界では今更:
F135ECUに触れず、アビオニクス冷却の為のバイパスを持つXA100を紹介している。技術的には間違いではないし、可変サイクル(今はアダプティブだっけか)に着目するのは個人的にも(というかGEのリスクを取って最新技術を追求する姿勢が好きなので:)関心をそそられるが、上記の通り当面は実用化はおあずけで、USAFがF135ECUを選択した以上はアビオニクス冷却問題にもF135ECUで解消の目処が立っていると見るべき(=当面の課題は解消される可能性が高い)捉えるべきなのだろう。
10年記念とやらでのりものニュースの記事増発はそれはそれで喜ばしいが、読者層拡大の為か? 層を小中学生レベル(偏見かもしれないが、科学と学習の記事レベルもあるような。悪い意味ではないのですが・・・)に拡大しているのが今後のポリシーになるのであれば・・・ちょっと微妙かもしれない(否定はしないが、肯定は・・・)。