日本の研究.comより。ご存知の方もいらっしゃるとは思いますがこのサイトは研究機関や大学の研究成果を要約して公開してくれるサイトであり、Facebookに投稿してくれるので今回目に付いた案件を引用します:
https://research-er.jp/articles/view/137639
理化学研究所(理研)脳神経科学センター 計算論的集団力学連携ユニットの豊川 航 ユニットリーダー、チュービンゲン大学のアレクサンドラ・ヴィット 研究員らの国際共同研究グループは、人間がいかにして異なる価値観や目的を持つ他者から学ぶことができるのかを、数理解析と行動実験から明らかにしました。
本研究成果は、価値観や目的の異なる主体で構成される複雑な社会の中で、いかにして社会的に学び合い集合知(collective intelligence)[1]を生み出すかという、社会科学における喫緊の課題の解決に貢献することが期待されます。
国際共同研究グループは、「社会的一般化(SG)学習」という、他者から得た情報と自分で獲得した情報を統合しながら試行錯誤学習する数理モデルを考案しました。この数理モデルを解析した結果、価値観の多様な集団において、模倣に基づく従来のシンプルな観察学習よりもSG学習は進化的に有利であり、かつ人々が実際に取る行動への説明力も高いことが示されました。モデルを通じた実験データ解析からは、人々が他者から得た情報を「話半分に」参考にしつつ、自分自身の学習における情報探索へうまく役立てていることが分かりました。
本研究は、科学雑誌『Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)』オンライン版(9月20日付)に掲載されました。
背景
私たち人間の生活や行動の多くは、他者から学ぶことで成り立っています。他者を通じて知識を得ること、すなわち社会的学習は、人間文化の基礎でもあります。近年、不確実な環境下でいかに社会的学習を活用すべきか、また人間はそうした環境でどのように他者から学ぶのかについて、計算論的モデル[2]を用いて定量的に調べる研究が盛んに行われています。
人々が同じ問題や価値観を共有している場合、「他人の振り見て我が振り直せ」ということが有効なのは想像に難くありません。みんなが同じゴールを目指しているならば、他人のやり方をまねるのは成功への近道になり得るでしょう。これまでの研究から、人間は「いつ」「だれを」「どのように」参考にするかを調節し、意思決定の中で社会的学習をうまく活用できることが示されてきました注1)。
しかし、私たちの社会を構成する人々は、それぞれ別々のゴールや目的を持って行動しています。そうした多様な人々から成る集団では、社会的学習[3]がどのように役立つかは自明ではありません。例えば駅へ行きたいとして、適当に目についた通行人をただ追いかけても、目当ての駅へたどり着ける保証はありません。あるいは味の好みが異なる友人の薦めるレストランが、自分の味覚に合う確証はありません。これまでの社会的学習研究は、「価値観の多様性」を考慮してきませんでした。個体ごとに別々の価値関数や目的に従って行動するのは、私たち人間に限らず、他の動物でも珍しいことではありません。そこで、人間をはじめ、動物に備わっている社会的学習能力の進化やその文化進化[4]ダイナミクスを理解するためには、価値観や目的の異なる他個体からどのように学ぶかという問題に迫ることが重要です。
注1)Toyokawa W, Whalen A and Laland KN. (2019). Social learning strategies regulate the wisdom and madness of interactive crowds. Nature Human Behaviour, 3: 183-193. (doi: 10.1038/s41562-018-0518-x); Kameda T, Toyokawa W, and Tindale RS (2022) Information aggregation and collective intelligence beyond the wisdom of crowds. Nature Reviews Psychology. (doi: 10.1038/s44159-022-00054-y)
引用おわり。ご興味のある方は上記サイトをご参照下さい。
個人的には日常である人が他者から学ぶ過程を数理モデルで定義してシミュレーションを行うというある意味流行りとも言えそうな(専門外なので印象です)テーマですが、社会的学習(エセ科学:失礼:である社会学とは全く別物である点に注意:)の数理モデルとしてガウス過程といったごく普通(最近の技術ではよく使われるモデルですよね、本も色々出ているし産業界の実用例も少なくない)数理モデル化し、シミューションを行い、定量的に分析している点が、主観に過ぎないエセ科学(しつこい)な文系センセイ方が独自解釈(活動家とも:)なさる社会学(エセ科学:しつこい:)とは全く異なる分野ではないかと個人的には考えています。
まあ、所詮はド素人門外漢の主観に過ぎませんが。