aki_iic’s blog

己の欲せざる処人に施す事無かれ、狂人の真似するは即ち狂人なり

ノーベル賞受賞者の書簡

 ブルームバーグの記事。選挙結果が出るのはこれからだから今のうちに引用しておきます。まあ、得てしてこの手の著名人の書簡に影響力があるかどうかは・・・不明:

www.bloomberg.co.jp

以下引用:

エコノミストは政策を重視し、政治とは距離を置く傾向が強い。自分の信念よりもデータや研究結果に語らせる超然とした予言者になることを好む。かつてその道の権威が筆者に対して「エコノミストが支持するのは、賢明であろうとする政党だけだ」と語ったことがある。その上で「賢明なエコノミストは政党には決して参加しない」と付け加えることも忘れなかった。しかし、驚くべきことが起こった。コロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授からマサチューセッツ工科大学(MIT)のダロン・アセモグル教授まで、23人のノーベル経済学賞受賞者がカマラ・ハリス氏を大統領として支持するとの書簡を公表した。

  ノーベル賞受賞者らは「簡単に言えば、ハリス氏の政策は、より強固で、より持続可能で、より公平な経済成長をもたらし、より強力な経済パフォーマンスを実現するだろう」と記述。ドナルド・トランプ氏の政策は「物価の上昇や財政赤字の増加、格差の拡大につながる」と付け加えた。ハリス氏については、「中産階級を底上げし、競争を強化し、起業家精神を促進する政策を強調してきた」と称賛した。「ハリス氏の経済アジェンダは、米国と米国民の経済力と幸福度を高めるために、トランプ氏の政策よりもはるかに多くの成果をもたらすだろう」と書いている。

  一般の国民がハリス氏とトランプ氏を比較する上で、過去8年の自身の経済体験についてうまく総括するのは難しいかもしれないが、あらゆる分野のプロのエコノミストにとってはほとんど迷うことはない。五分五分ではない。トランプ氏のアジェンダは、エコノミストにとって批判すべき点が多い。これらの政策のどれか1つだけでも、大統領候補として失格だが、トランプ氏がこれら全てを提案していることは、同氏が返り咲いた場合、経済がどれほどのリスクにさらされるかを示す十分明確な指標だ。

米連邦準備制度理事会FRB)への干渉:トランプ氏と副大統領候補のバンス上院議員は、FRBの独立性を廃止し、金利設定などの金融政策について大統領に発言権を与えることを提案している。中央銀行の独立性は、安定した経済の基礎となる要素だ。中銀の独立性が高ければ高いほど、インフレ率が低下するという明確な因果関係が研究で明らかになっている。米国だけをみても、大統領からの政治的圧力は物価を上昇させている。

統計機関への干渉:トランプ政権は2020年の国勢調査に介入し、集計を早期に終了させ、国勢調査局の官僚に調査方法を変更するよう圧力をかけた。情報公開法に基づく請求によって明らかになった電子メールによれば、公務員として保護されているこれらの労働者は抵抗した。しかし、トランプ大統領は政権末期に試みた公務員制度改革「スケジュールF」を通じて、多くの公務員を政治任用者に置き換えることを提案しており、共和党はすでに労働統計局を攻撃している。信頼できる経済データの発表が危ぶまれる事態だ。

過大な関税:トランプ氏は全世界からの輸入品全てに20%の関税をかけることを提唱しているが、中国からの輸入品とメキシコからの自動車にはより高い税率を求めている。トランプ政権時代の関税は絶好の実験場だ。関税を支払うのは商品を輸入している国内企業であり、そのコストを消費者に転嫁しようとするため、関税は物価を上昇させるというのがエコノミストの一致した見解だ。その結果、関税は国内総生産(GDP)成長率を低下させることが証明されている。関税の規模が大きく、対象範囲が広ければ広いほど、米消費者物価は高くなる。歴史と1930年のスムート・ホーリー関税法は、もう1つの教訓を提供する。最も可能性の高い高関税の結末とは、貿易相手国による米国の輸出業者への報復だ。

大量強制送還:トランプ氏は米国史上最大規模の強制送還を公約し、共和党員はこの夏の全国大会で「今こそ大量強制送還だ!」と書かれたプラカードを掲げてトランプ氏に応じた。中道左派ブルッキングス研究所の研究者は、予想以上の移民受け入れが経済に恩恵をもたらし、消費者の需要と雇用の伸びを支えてきたと分析。さらに強制送還を実行すれば、移民が雇用されている保育や建設などの重要産業に影響を与え、総需要を低下させ、米国生まれの労働者に打撃が及ぶと指摘している。

財政赤字の拡大連邦政府は1兆ドル(約152兆円)規模の赤字を抱えており、超党派で非営利の「責任ある連邦予算委員会(CRFB)」は、トランプ氏の政策提案はハリス氏の2倍の費用がかかると判断した。ハリス氏の提案はトランプ氏よりも新規支出を抑え、支出を賄うための税収増を望んでいるが、トランプ氏はそれを望んでいない。社会保障制度も財政健全化へのさらなる圧力となる。信託基金の形を取っている社会保障制度は直接的に財政赤字を増やすものではないが、議会はこの制度に数兆ドルの債務を負っている。CRFBはトランプ氏の社会保障制度案について、不足額をさらに2兆ドル膨らませ、この信託基金を現在予測されている2035年より3年早く枯渇させるだろうとしている。

  ノーベル賞受賞者たちは書簡の中で、法の支配に加え、経済的および政治的な確実性がいかに重要かを指摘。これは「経済的成功を遂げるための重要な決定要因の1つだ」と強調した。敵への報復計画を公然と話すトランプ氏の逆鱗に触れたくない企業幹部の多くが同氏にすり寄っているという事実は、高尚なエコノミストの主張を証明している。

(キャスリン・エドワーズ氏はブルームバーグ・オピニオンのコラムニストです。労働エコノミストであり、独立政治コンサルタントでもあります。このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)

原題:23 Nobel Laureates Can’t Be Wrong About Trump: Kathryn Edwards(抜粋)

引用おわり。執筆者実名表記のコラムであると明記されている(常識だが)。

三下の我が国のメディア様は爪の垢でも煎じて飲めば宜しいのでは。まあ、馬鹿だから(すみませんね、品が無くて)、活動家モドキの落ちこぼれ(真っ当な企業に就職出来なかったという意味で)さんだからメディア様は上級市民(軽減税率対象だしね)と思い込んでいるのだろう。

 馬鹿は死ななきゃ治らない(何度でも言おう)。。。