aki_iic’s blog

己の欲せざる処人に施す事無かれ、狂人の真似するは即ち狂人なり

AGIというナラティブ

 久々にWirelessWireの記事。この投稿をした人は割とマトモな人らしく読む価値有りな印象ではあるが無駄に長いある種のポエムと言えなくもない。

wirelesswire.jp

一部引用:

2019年春のライブイベントで、当時非営利組織だったOpenAIが、どのようにビジネスを成立させるのかをテックジャーナリストに問われたサム・アルトマンCEOは、「正直言うとまったく分かりません」とキッパリ答えます。これまで収益をあげたことはないし、何らプランはないが、「一般的なインテリジェントシステムを我々が構築したら、そのシステムに投資利益をあげる方法を考えてもらう、と投資家にはやんわり約束しています」というアルトマンの言葉に会場は笑いに包まれますが、(当時放送されていたコメディドラマの)『シリコンバレー』みたいに聞こえるかもしれないが自分は本気だ、とアルトマンは付け加えています。

この逸話から、ビジネスモデルの欠如とAGI(Artificial General Intelligence:汎用人工知能)への執着が、生成AIブームをけん引し、2020年代を代表するユニコーンとなったOpenAIを形作ったとブライアン・マーチャントは書きます。

ただ、この「ビジネスモデルの欠如」は、健全なビジネスモデルよりも企業規模の拡大や市場の獲得(独占)を優先する、Uberなどのユニコーン企業を前例とするポストWeb 2.0時代のトレンドを反映したものと言えます。そしてそのトレンドは、スタートアップに資金を提供するベンチャーキャピタリストの意向でもあり、シリコンバレーの投資家のインナーサークルからなる「中央委員会」による「中央計画」だとティム・オライリーが批判したスキームでもあります。

2010年代のゼロ金利時代における莫大な投資資金を前提として構築されたAIブームですが、2020年代に入ってからの利上げと企業の大規模なレイオフの波を受け、個人ユーザや法人顧客に販売する製品を創出する必要性にAI企業は迫られます。OpenAIの非営利組織から営利企業への転換も、その流れを受けたものです。

ただ、莫大な投資を必要とするAI分野にありながら、立ち上げ間もない2015年末のスティーブン・レヴィによるインタビューにおいて、「OpenAIは非営利組織なので、その成果は世界中の人々に自由に所有されることになります」と答えたサム・アルトマンは、シリコンバレーにおける起業神話とビジネスモデルの境界をこの時点で意図的に浸食(曖昧化)していたとも言えます。

サム・アルトマンにしろ、同じく共同創業者だったイーロン・マスクにしろ、OpenAIはメディア向けに演出するような利他的なスタートアップではなく、彼らの個人的、ビジネス的な野心を達成するための手段だったというブライアン・マーチャントの見立てについては、そりゃそうだろうよとしか思わないのですが、OpenAIはすべての人に利益をもたらす、安全な人間レベルのオープンソースAIを開発する非営利組織だとメディアを通じて刷り込むことで、彼らはOpenAIのミッションを投資家だけでなく一般レベルにも売り込むのに成功しました。「今にして思えば、マスクやアルトマンの動機が、当時ほとんど問われなかったのは驚くべきことだ」とマーチャントは皮肉っぽく付け加えます。

ならば、彼らの「動機」とは何か? アルトマンとマスクの両名にとってOpenAIの設立の動機は、当時機械学習の分野で大きな成果を挙げ、DeepMindを買収するなどしてAI開発をリードしていたGoogleに対するヘッジだったと思われます。「非営利」や「オープンソース」といった当初の謳い文句には、Googleをはじめとするビッグテックに対するアンチの姿勢の打ち出しもあったでしょう。

 後は上記記事参照(無駄に長いので。

 犬も歩けば犬笛マスクに当たる・・・そんな最近の私:)