EEJournalの記事より。ライタの視点は当然米国であろうが我が国(西側という意味或いは非中国でも良い)でも言えそう(秋月やAliExpressでも)と思われるのは当方の個人的印象ですが:
WCHは、経験豊富なマイクロコントローラベンダー兼IP開発会社です。同社は、8ビット8051プロセッサコアの独自実装をベースにマイクロコントローラの設計を開始しました。その後、32ビットArm Cortex-M0および-M3コアの採用へと発展し、現在は独自のRISC-VプロセッサコアIPをベースに複数のマイクロコントローラチップを開発しています。同社のウェブサイトの「About(会社概要)」タブには、「WCHはコネクティビティ技術とマイクロプロセッサの研究に注力しており、自社開発のプロフェッショナルインターフェースIPおよびマイクロプロセッサIPをベースにチップ設計を行うIC設計会社です。USB/Bluetooth/Ethernetインターフェースチップに加え、これらのインターフェースを統合したコネクティビティ/相互接続性/ワイヤレスMCUを提供しています」と記載されています。
これまでのところ、CH570 マイクロコントローラのマーケティングは、WCH の Patrick Yang による X に関する次の投稿で構成されています。
「ギークの皆さん!日常生活の最後の100メートルにAIを導入するために、2.4GHzワイヤレスとUSB 2.0(ホスト&デバイス)を搭載したRISC-V 32ビットSoC、CH570を発売します。CH32V003からのアップグレード版で、価格は変わらず約10セントと、より多くの機能を搭載しています。」
WCHはAliExpressでチップと開発ボードを販売する予定で、実際同社は多くの製品をAliExpressに掲載していますが、この記事を執筆時点ではCH570の製品ページはどこにも見つかりませんでした。しかし、Googleを使ってようやく見つけたデータシートを見て、このマイクロコントローラは記事にする価値があると確信しました。ただし、CH570マイクロコントローラは明らかに中国国内市場をターゲットにしていることにご注意ください。購入は自己責任でお願いします。
CH570 マイクロコントローラのブロック図を以下に示します。
WiFiとBluetooth Low Energy(BLE)をサポートするWCHのCH570マイクロコントローラのブロック図。画像提供:WCH
WCHのCH570マイクロコントローラのプロセッサコアは、QingKe RISC-V3Cです。WCHは、QingKeブランドでRISC-V ISAをベースとしたプロセッサコアシリーズを開発しています。QingKe RISC-V3Cコアは、RISC-V ISAのRV32IMCBバリアントを実装しています。つまり、乗算・除算命令、ビット操作命令、そして圧縮された16ビット命令セットをサポートする32ビット整数専用コアです。WCHは、QingKe V3マイクロプロセッサファミリ向けに48ページのマニュアルを別途提供しています。
QuingKe RISC-V3Cコア設計は、最大クロックレート100MHzで動作する3段パイプラインを備えています。キャッシュメモリは搭載されていません。代わりに、プロセッサコアはマイクロコントローラチップに内蔵されたフラッシュEEPROMから直接コードを実行します。フラッシュEEPROMの容量は、コードと静的データ用に240KB、ブートローダ用には8KBです。揮発性データストレージ用に12KBのSRAMを搭載しており、プロセッサとオンチップDMAアクティビティは、WCHが開発したアービタを介してSRAMにアクセスできます。SRAMは、プロセッサがスリープモードに入ってもデータを保持できます。
上記のマイクロコントローラのブロック図では、図の左上象限に、GPIOピン、シリアルポート(UART、SPI、I2C)、PWM制御付きタイマー、リアルタイムクロックなど、典型的な周辺機器のセットが示されています。プロセッサコアの左側に表示されている周辺機器はごく標準的なものに見えますが、上記のブロック図でプロセッサコアの下に表示されている3つの周辺機器は、このような低コストのマイクロコントローラでは標準的ではありません。プロセッサコアのすぐ下に表示されているブロックは、その名の通りUSB 2.0コントローラです。「Keyscan」とマークされたブロックは、5つのGPIOピンをマトリックス状に使用して最大20個のキーを自動的にスキャンできるキーボード/キーパッドスキャナです。Keyscanモジュールは、プロセッサがスリープモードの間もキーのスキャンを継続できるため、消費電力を大幅に削減できます。しかし、特に注目すべきは、「RFトランシーバー」とマークされたもう1つの周辺機器だと思います。この10セントのマイクロコントローラは、「ANT」(アンテナ)と書かれたピンが示すように、2.5GHz Wi-FiとBluetooth BLE 5.0を直接サポートしています。この低価格のマイクロコントローラは、中国で設計される多くのワイヤレスIoTデバイスの基盤となるでしょう。
引用おわり(機械翻訳)。秋月(確かスイッチサイエンスでもボードレベルで)で開発ツール含めて超安価に提供されている中華RISC-V32マイコンのBLE内蔵バージョンらしい。実は私も秋月からCH32V003と開発ツール購入し、IDEもUbuntu20.04で動作確認したのですが・・・下記記事と同じ理由で保留にした事がありまして↓
個々人による見解の相違は当然あると思っています。所詮個人の道楽の世界に於いては・・・
以下結び:
現実的な制約もあります。まず、中国の半導体企業は、サポート体制において英語ではなく中国語を重視する傾向があります。これは自然な傾向です。これらのマイクロコントローラに対する中国国内市場の需要は、世界の他の地域と比較して大きくなると予想しています。WCHが潜在的な顧客にAliExpressで部品や開発ボードを購入するよう推奨していることからも、その傾向が垣間見えます。私が知る限り、米国ではAliExpressを認定部品ベンダーとして推奨している企業はほとんどありません。実のところ、この記事を執筆中にAliExpressで調べたところ、WCH CH570マイクロコントローラも開発ボードも見つかりませんでした。
次に、WCHは一般的に、追加のサポートソフトウェアやコードサンプルについてはGithubを参照するように勧めています。WCHのCH570マイクロコントローラのGithubページにアクセスしてみましたが、私が確認した時点では資料が空っぽでした。もしかしたら、その後補充されたのかもしれません。公平を期すために言うと、WCH CH570マイクロコントローラとQingKe RISC-V3プロセッサコアファミリの両方について、優れた英語で書かれたPDFマニュアルを簡単にダウンロードできました。ただし、CH570マイクロコントローラで使用されているUSB、WiFi、BluetoothコアはすべてWCH独自の設計であるため、これらのIPブロックのソフトウェアドライバの開発と保守はWCHに依存することになります。開発ツールについても同様です。
というわけで、これがその答えです。安価で非常に高性能なマイクロコントローラーが、10セントで売られているのですが、その価格は不明です。使ってみますか?単価は確かに魅力的ですが、開発ツールを揃えたり、志を同じくする開発者コミュニティを見つけたりするのは、中国に拠点を置いていない限り、難しいかもしれません。
まあ、そういう事です。
Blogやトラ技等でWCH社他の中華チップの情報発信をされている方(或いは組織)がいらっしゃるのは承知しているし素晴らしい事とは思いますが、私が企業(中華資本ではない)のエンジニアの立場であるならば採用を躊躇するのが現実(まあ、時代錯誤の可能性もあるのかもしれませんが、流行り言葉で言うならば「リスクが・・・」の類かもしれません)な気がしています。
繰り返しますがこれらの方々を批判するつもりは毛頭ございません(念の為)。
