ロイター本家署名記事:)より。
好事魔多しとは申しませんがA320系6000機が対象との事。Airbus史上最多のリコール案件
[パリ 28日 ロイター] - 欧州航空機大手エアバス(AIR.PA), opens new tabは28日、主力であるA320系統機種に対し、ソフトウエアの即時変更を指示した。関係者によると、この措置は約6000機が対象で、世界中の運航機の半数超に及ぶ見通し。エアバス創業以来、最大規模の修理指令になるとみられる。エアバスは声明で、最近発生したA320系統機の事案により、強い太陽放射が飛行制御に不可欠なデータを破損させる可能性があることが判明したと説明。「今回の措置により、乗客や顧客に運航上の混乱が生じる見込みだ」と述べた。多くの航空会社は、今回の措置により遅延や欠航が発生する可能性があると述べている。A320型機の運航数が世界で最も多いアメリカン航空(AAL.O), opens new tabは、A320型機の480機中、約340機に修理が必要だと発表。1機あたりの修理時間は約2時間で、29日までに概ね完了する予定だとした。ドイツのルフトハンザ航空(LHAG.DE), opens new tabやインド航空最大手インディゴ(INGL.NS), opens new t格安航空イージージェット(EZJ.L), opens new tabなど他の航空会社も、修理のために一時的に運航を停止すると発表した。
引用おわり。
監督官庁の指示ではなくAirbus自身からの直接のアクションだから相当深刻な内容なのだろう。「強い太陽放射が飛行制御に不可欠なデータを破損させる可能性」がセンサデータに影響を及ぼしうる内容という事なのでしょうか。Googleさんによると、
- 不具合の原因: 強力な太陽放射が、航空機の飛行制御に不可欠な昇降舵/補助翼コンピューター (ELAC) のデータに影響を与え、破損させる可能性があることが判明しました。これにより、意図しない飛行制御入力が発生するリスクがあります。
- 事象の背景: この問題は、2025年10月30日に発生したジェットブルー航空のA320型機の急激な高度喪失を伴うインシデントの調査によって特定されました。
- 対応措置:
- 目的: この変更は、飛行制御システムのデータ整合性を確保し、安全性を向上させることが目的です。
この緊急措置により、世界中の航空会社の運航スケジュールに混乱が生じています。
という事らしいので、
・ELACデータに強力な太陽放射がデータ破損させる可能性がある(どういうメカニズムかは不明)。
・対策は既存のソフトウェアの以前のバージョンに戻す事
・1000機程の古い機体はハードウェア交換を要する
と読めるのですがとなると特定のバージョンのソフトウェア(ELACのそれと推定)でデータ破損が起きるのが10月30日のジェットブルー航空の急激な高度喪失で検出されたのでそれへの対策という事のように読めます。
コンピュータ誤動作⇒急激な高度喪失⇒重大インシデント の流れはB737MAXの事案を彷彿とさせますが(私見です)、Airbusは他山の石と反応は真っ当な航空機製造メーカ(ああ、Bo・・・が真っ当で無いとは言ってますが:)としての責務を遂行している様にも見える。発生元が米国だからNTSBも当然認識している案件だろうし。
ELACのファームウェアのデータ処理方法でも変更したのでしょうかねぇ?データ破損をソフトのバージョン戻しで対応するのはその辺かもしれないと(少なくともメモリエラーとかハードウェア系のエラーではないのでしょう、多分)。
#2時間で現地改造が完了するのであれば結構短い・・・とか思ったりして(余計なお世話)・・・
20251129 10:53追記:traicy.comより。EADが出ている様です(あたりまえか)。
欧州航空安全機関(EASA)は、エアバスA320ファミリーのソフトウェアの脆弱性に対処する緊急耐空性改善命令(EAD)を発行した。
10月30日にカンクン発ニューヨーク/ニューアーク行きのジェットブルー航空1230便(エアバスA320型機、機体記号:N605JB)で発生した、意図せずに機体が降下した事案に対応するもので、エアバスA319型機、エアバスA320型機、エアバスA321型機が対象となる。
わずかな高度低下の後、オートパイロットは継続して作動し、支障なく飛行するという。エアバスによる予備評価ではELAC(Elevator Aileron Computer)の不具合が原因の可能性がある。最悪の場合には、機体構造の限界超過に至る懸念があるとしている。
効力発生日となる11月30日午前9時(日本時間)までに、対象となるELACを交換もしくは改修する必要がある。
引用おわり。
ELACのデータの破損がどのようなパタンでどの様に影響するかが公開されない限りは外野のど素人如きではさっぱりわかりません(あたりまえ)が、離散的データ破損の可能性もあるのでしょうか、口語体で言えばメモリ領域破壊とか(根拠無き憶測です、すみません)。
20251129 13:44追記:ロイターの記事だが全日空さん、いつもの引きが強い様で(冗談です)・・・
[東京 29日 ロイター] - ANAホールディングス(9202.T), opens new tab傘下の全日本空輸(ANA)は29日、欧州当局が航空機大手エアバス(AIR.PA, opens new tabに機体のソフトウエア改修を命じたことを受け、国内線に欠航や遅延が発生すると発表した。29日は始発から65便が欠航し、約9400人に影響が出る。30日以降も欠航や遅延が起きる可能性があるとしている。改修が必要なのはエアバスの320型機と321型機。欧州航空安全庁が発行した耐空性改善通報に基づき、機体システムのソフトウエア更新作業が必要になった。ANAは34機が対象になるという。
引用おわり。
新規情報は無く、単にANAフリートでの実数が提示されているだけの様です。計画では11月いっぱいで作業を一段落させるつもりらしいので年末年始のシーズンには間に合う筈。
20251129 16:47追記:Aviation Wireの記事より。太陽フレアの影響らしい・・・
EASAによると、最近A320で起きた事象で、意図しない機首下げ(ピッチダウン)が確認された。自動操縦は作動し続けたが、一時的に高度が低下する場面があった。エアバスが実施した初期の技術評価により、飛行制御コンピューター「ELAC B L104」に不具合がある可能性が浮上したという。この不具合は、10月30日に米ジェットブルー(JBU/B6)のカンクン発ニューヨーク(ニューアーク)行きB61230便(A320、登録記号N605JB)で起きたトラブルを指すとみられる。
このまま対策を講じない場合、最悪のケースでは機体の構造限界を超えるエレベーターの作動が発生するおそれがあるとし、EASAは安全上のリスクを認定。エアバスが発行したAOT(運航者向け警告伝達)「A27N022-25」に基づき、対策機器への交換または改修を義務づけた。
エアバスによると、太陽フレアに伴う宇宙線によりデータの破損につながる恐れがあると判明。現在運航中のA320系列のうち、影響を受ける可能性がある多数の機体をエアバスが特定した。
引用おわり。
これって所謂ラディエーションエラーという事でしょうか? という事は太陽活動活性化による影響となるから他の世界中の少なくとも航空宇宙機器に影響が有り得るのではないでしょうか(失礼ながらホンマかいなと言いたくなる、所謂ノイズの影響が・・・の類とは言い過ぎでしょうか)。
航空宇宙系の半導体はグレードが高い半導体が使用されていると思うのですがそれでも足りなかったと・・・でもソフトのバージョン戻しで解消される理由は・・・良く分からん:)
20251129 22:58追記:Facebookより、Airbus CEOの釈明

20251130 00:19追記:Aviation Wireより。国内航空会社のA320系のソフト更新(戻し?)は順調に作業が進んでいる模様↓
ジェットスター・ジャパンはA320系列のうち、A321LR(1クラス238席)を3機、A320ceo(従来型A320、同180席)を19機の計22機運航。EADに基づく主な整備作業は、飛行制御コンピューターのソフトウェア更新で、対象機数はA321LRが全3機、A320ceoは12機の合わせて15機となった。29日は機材繰りの調整で欠航は避けられたものの、計9便が25分から55分の遅れとなった。
更新作業は進行中で、30日朝までに全15機の作業を終える見通し。これにより、30日は運航への影響を避けられそうだという。
EASAによると、A321、A320、A319の一部機体に搭載されている飛行制御コンピューター「ELAC(エレベーター・エルロン・コンピューター)」が誤作動を起こす可能性があるとして、EADを発出。10月30日に米ジェットブルー(JBU/B6)のカンクン発ニューヨーク(ニューアーク)行きB61230便(A320、登録記号N605JB)で起きた意図しない機首下げ(ピッチダウン)が、エアバスが実施した初期の技術評価で、飛行制御コンピューター「ELAC B L104」の不具合である可能性が出てきた(詳細はこちら1)。
エアバスによると、太陽フレアに伴う宇宙線によりデータの破損につながる恐れがあると判明。現在運航中のA320系列のうち、影響を受ける可能性がある多数の機体をエアバスが特定した。
エアバスによると、10月末時点で運航中のA320系列の機体は世界で1万1293機。このうち、新型エンジンを搭載する「neo」は4220機で内訳はA320neoが2286機、長胴型のA321neoが1896機、短胴型のA319neoが38機となり、従来型「ceo」は7073機で内訳はA320ceoが4154機、A321ceoが1697機、A319ceoが1222機となっている。海外の報道では、対象機数は6000機に上るとの見方が出ている。
この影響で、ANAは29日の国内線95便を欠航し、約1万3200人に影響が出た。ANAはA321neoを22機、A320neoを11機、A321ceoを4機の計37機を運航している(詳細はこちら2)。
同じくANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下でLCC(低コスト航空会社)のピーチ・アビエーション(APJ/MM)はA320系列のうち、A321LR(1クラス218席)を3機、A320neo(同188席)を19機、A320ceo(従来型A320、同180席)を15機の計37機運航しているが、整備作業を29日正午前に完了し、これに伴う欠航は発生しなかった(詳細はこちら3)。
引用おわり。
今回の適用が当たってくれると良いのですが・・・予防処置の様なので外れる可能性も・・・Airbusを信じましょう(祈り)
20251130 08:25追記:YouTubeでオートダビング版(日本語)を見つけたので引用します↓
報道内容は同じですがA320系の運用が多い地域では騒ぎになっている様です・・・
20251130 12:51追記:どうにもすっきりしなかったのでgemini2.5と対話して少しはマトモと思しき情報を得ました。
ELACというか高信頼性機器はECCメモリと多重化されているが(当業者では常識なのでしょう、恥ずかし:)、
今回はマルチビットエラー(ビット反転パタンの可能性)が発生し、かつ新しいファームウェアではそれへの対処が適切では無かった為、旧版に戻す処置の様です(gemini2.5から得た情報によると)。

上記によると2020年に発生した事象に対し、2021年にADが発行され対策が実施されていた様だが、2025年10月30日に再発した為、11月30日迄に適用完了すべき対象6000機(内1000機はELAC交換などのハードウェア対応)という事らしい。
事象発生⇒原因判明⇒対策実施⇒事象再発⇒対象拡大し緊急適用(今ココ) というところなのでしょうか。
ELACの搭載場所がどこか知りませんがラディエーションエラーが発生しやすい場所?かどうかも知りませんがECC付きでマルチビットソフトエラー発生時のデータ破損で起きる事象であれば(しつこいけど、他の要因は全て除外されてのでしょうから)今回の大掛かりなイベントになったのでしょうか(きっと)。
ELACだけが弱い訳でもないのだろうから当然水平展開で他のコンポーネントにもチェックが入っている(まあ、品質管理の基本なので)のでしょうから、後日適用もあるのかもしれません・・・
#マルチビットエラー処理の不具合・・・そうそう無いと認識していたのですが(びっくり)