日本経済新聞の記事より。
ツール奨励が裏目に出る場合もあるというか、有る意味予想された結果でもあるのでは。
何せ楽してCPU(トークン)消費をエージェント間で(自動的に)やってくれるのだから・・・予算割り振る側も課金情報をインセンティブにするなんて・・・愚行(失笑)・・・
20世紀末にパソコン通信で課金情報過大が問題とされた方が居た記憶があるが、それと同様な印象。反面課金制限すると今度は・・・歴史は繰り返す。
「年間で1億円超えじゃないか」。ある国内大手企業の最高情報責任者(CIO)は、1人の社員にかかった人工知能(AI)利用額を聞いて耳を疑った。5月だけで1000万円。AIエージェント同士に夜通し会話をさせるなど、長時間の活用作業を繰り返していたという。経費負担が大きすぎるとして対応策の検討に乗り出した。
企業でのAI活用が進むとともに、その費用対効果が無視できなくなってきた。Chat(チャット)GPTのような対話型のAIから、自律的にタスクをこなすAIエージェントにサービスの軸が移ると共に、AI利用にかかるコストが急増しているからだ。
足元で大きな影響が懸念されるのが米国だ。シリコンバレー企業などは2025年半ばごろから「Tokenmaxxing(トークン最大化)」と呼ばれるAIの徹底活用を奨励してきた。「トークン」とはAIが処理に使う情報の単位のこと。AIを使い倒してこその競争力という考え方で、メタやアマゾン・ドット・コムでは社員がどれだけトークンを使ったかを可視化して競わせていたほどだ。
AIの年間予算、4カ月で使い果たす
今、この熱狂ムードに揺り戻しが生じている。
5月末、米ウーバーテクノロジーズのアンドリュー・マクドナルド社長兼最高執行責任者(COO)は米音声メディアに対し、大量のトークン消費について「正当化するのが難しくなっている」と述べた。法人向けのAIは多くが使ったトークン量に応じて課金される。AI利用と自社サービス改善の相関が見えてこないなかで、すでに26年のAI予算を4カ月で使い果たした。
マイクロソフトも、アンソロピックのAIエージェント「Claude Code(クロードコード)」の社内利用契約を6月末で打ち切る予定だという。トークン費用対策であることは明らかだ。
テック大手すらたじろぐほどに、AIの利用コストは爆発的に膨らんでいる。ミシガン大学やスタンフォード大学の研究者らが4月に発表した論文によると、通常のコード推論(AIとの一問一答のやりとり)やコードチャット(コード作成などでの複数回のやりとり)と比べて、AIエージェントは1000倍以上のトークンを使うという。
エージェントはタスク実行のために「考えている」最中も情報を処理している。過去のやりとりなど複数データをAIが何度も読み返すため、トークン消費が増えやすい。
AIトークン浪費、「対岸の火事」にあらず
日本の場合、ビジネスへのAIエージェント導入はまだ緒に就いたばかりだ。実際にトークン費用の膨張を経験している企業はまれだが、いずれは産業界が直面するであろう課題ともいえる。
その場合、トークン利用に上限を設けたり、作業によってはトークンをあまり消費しない軽量モデルを使うよう社員に促したりといった対応策が考えられる。とはいえ何より欠かせないのは会社にとっての真の生産性の把握だといえる。
苦い経験を生かそうとしているのが業務システムを手掛けるLayerX(レイヤーエックス、東京・中央)だ。同社も足元でトークン消費の増加に見舞われた。月100万円を超える利用に達する社員もいたという。
費用対効果を分析すると、個人レベルではAIエージェントの活用で仕事が楽になったが、チームでまとめる最も重要な仕事の生産性向上にはつながっていなかった。中村龍矢執行役員は「エージェントごとに業務が分断されていた」と振り返る。
現在、同社が取り組んでいるのが組織としてのAIエージェント活用だ。個人にひもづく暗黙知を形式化しひとつのAIに学ばせ、そのAIがチームメンバーの仕事を包括的に支援する。例えば営業担当がAIでまとめた見積書は、同じAIがさらに加工し情報を追加したうえで製品審査担当に回すといった連携が日常的にできるようにしている。
無意味なトークン消費、生産性は上がらず
業務のたこつぼ化を廃し、そこにAIを組み合わせることで、無駄なトークン消費を防ぎながら生産性を高めることができる。「痛い目にあったことで組織内の『ナレッジ(知識)』の共有が大事だと気がついた」と中村氏は話す。
トークン最大化の難点は、それを人事評価に使おうとしたことだ。アマゾンなど一部企業では、「人より働いている」雰囲気を出すために無意味なトークン消費にまい進するエンジニアもいたという。データ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズのシャム・サンカー最高技術責任者(CTO)は「トークン消費が増えればゴミも増える」と断言する。
「やってる感」では生産性は上がらず、割高の請求書もついてくる。AI活用の現実である。
引用おわり。
笑止、でしょうか。何か新しいツールが導入される度に繰り返されるパタン。最後のパラグラフは人事部門が「あフォ」である事が如実に証明された、みたいな。
逆に言えば、この手の「活用拡大」が無いとAI事業者はいつまでたっても投資回収が出来ない訳で、IPOに邁進しているAI事業者にとってはカモユーザが課金対策をする前に上場しなければ(意訳)との意図ももあるのではと(邪推です)。
「知的ツール」とやらで生産性評価が出来ないからともたもたしてるとIT詐欺師(今回はAI詐欺師でしょうか)にカモられる、IT詐欺師ですらAI詐欺師にカモられる皮肉。だってマイクロソフトって「AI企業」なのだから社内課金なので相殺されるのでは? そうでないのであれば外部(まあ、OpenAIでしょうな)に依存している、つまり社内技術では無いという事なのでは。
嫌味が過ぎるかもしれませんがソーシャルゲームでアイテム欲しがる子供が行う行為と似たような印象が(課金費用は誰が負担するかも考えずに・・・)。
これが逆に締め付けると誰も使わなくなって「AI導入って何だっけ?」になる予感。
このパタンって新しいツール(ワープロでもパソコンでもインターネットでもGoogleでもOfficeでもRPAでも生成ツールでもチャットBotでもAIツールでも)で起きる必修パタンでもあるから・・・対処方はご承知の筈(管理部門さんは)。
人間の行動原理ってAI如きの確率分布ツールで変わる筈もなく(人工知能学会さんの言説がちと恥ずかしい印象:)馬を水飲み場への例えが頭をよぎる印象。
#タダより高いモノは無い・・・反芻すべき時期なのでしょう(か|ね)。
