冷戦時代、つまり20世紀に航空雑誌や軍事情報を参照されていた方(〇〇オタク系に限りませんが、いや航空ファン・航空機が好きな人、の方が健全に聞こえますね)には1991年迄は悪の枢軸で鉄のカーテンに閉ざされたソ連東欧機はその名称を知る術がある筈もなく、NATOコードネームと言われた西側が勝手に名付けた「渾名」で呼ばれていた時代がありまして、21世紀の今でも律儀な報道では機体名とNATOコードネームを併記して報道されるメディア(企業、団体、個人関係なく)も有る様です。
例として挙げますと:
・A:ミサイル、特に空対空ミサイル(AAM):アルカリ、アナブ、アッシュ、アクリッド、エイペックス、アフィッド、アラモ等
・B:爆撃機、バジャー、ベア、バイソン、ブル、ブラインダー、ブリュワー、バックファイヤ、ブラックジャック、バウンダー等
・C:輸送機、チャージャー、コック、キャブ、キャンディット、ケアレス等
・F:戦闘機、ファゴット、フレスコ、ファーマー、フィッシュベッド、フロッガー、フォックスバット、ファルクラム、フォックスハウンド、フランカー、フロッグフット、ファイアバー、フォージャー、フィッシュポット、フラゴン、フェンサー、フリーハンド等
H:ヘリコプタ、ヒップ、ホルモン、ヘア、ヘリックス、ハロ、フードラム等
K:空対地ミサイル:ケンネル、キッチン、キンジャール等(忘れた:)
等々
とアングロサクソン(特に英国臭が・・・)だから当然敵には悪意ある命名しかしないので21世紀のコンプラでは支障がありそうな命名も少なからずあるが、当時は機種判定は重要であったからとにかくコードネームを割り当てていたが、当然誤認もあるから後に訂正されたり、されなかったりでグラスノスチ以降に正式名称が公開されるともはや冷戦時代の古語となりつつあったのでした(今では古語と言って良いかと)。
なのでウクライナ戦争の報道で、
ウクライナが戦略爆撃機 Tu-22M3を破壊した、で報道情報としては十分なのにわかりやすさの為にか?NATOコードネームを付記される必要はもはや不要な印象。Tu-22M3はTu-22(ブラインダー)の発達型だが事実上全く異なる機体であり、異なるNATOコードネームが付与されたので、
・Tu-22、NATOコードネームはブラインダー
・Tu-22M3(M,M2も)、NATOコードネームはバックファイア
なのですがそこまで律儀に調べて報道される必要は21世紀にはもう不要なのではと(調べるの大変なので)。
冷戦時をご存知の方ならばレーガン政権時代のSALTでTu-22Mバックファイアが戦略爆撃機であり削減対象に当たると主張したアメリカに対してソ連はTu-22Mは航続距離が短く戦略爆撃機に相当しない(核兵器で米国を直接攻撃出来ない)と主張し、当時は米国が妥協してSALT削減対象から免除してもらったが空中給油能力は禁止された(ソ連はプローブを外しただけで能力は削除していなかった、ソ連らしいね:)という歴史もあった様な。
20世紀の航空情報源は雑誌だったので高校からその手の航空雑書(当方は航空情報、航空ジャーナル、航空ファン、エアワールド:ああ懐かし:)を読み漁っていたFanとしては記憶力旺盛な年頃でもあったので今でもこうして覚えている訳でありまして・・・若い頃の記憶は直ぐ思い出せるのに・・・エピソード記憶化工数の差なのでしょうか(齢を感じる・・・)。
まあ、そんな訳なのでWW2で日米なりで機体にそれぞれ渾名を付けたのと同様に冷戦時代ではNATOは識別の為に「ちょっと意地悪というか悪意ある」NATOコードネームを付与した時代があったのでありました。
多分NATO内ではこのシステムはまだ生きていてSu-27/30/33をフランカーと呼称・報道するメディアはあるかもしれませんが・・・古語の仲間入りで宜しいのでは、と個人的には考えています(正式名称が公開されているのだから正式名称で呼ぶのが筋だし、後に検索する際にもノイズが増えるので避けたい処ではある)。