RISC-V更に続き。今度はAmazonで普通に1.3万円程度で売られているStarFive社(中国)のJH7110なるRISC-V64QuadCoreなSoCを用いたボードで既に技評でも紹介されている案件なのでご承知の方も多いとは思いますが、当方井の中の蛙でこのクラスのボードはBeagleVしか知らず、それをまち続けていたのですが最近のRISC-V64関連でサーチ(特にArmbianのRISC-V64サポートボード:)で色々サポートされていると知り(恥ずかし:)逆引きで技評の記事、Amazonに辿り着いた次第。
驚くべきは昨日注文して今日の昼に届けてくれる我が国のロジ力が凄すぎるが例の2024年問題でそれがどうなるか(まあ、これは厚労省のexecption知らずが国交省との連携のマズさでまたぞろメディア様が馬鹿騒ぎ、と最近のマイナンバカードの馬鹿騒ぎ:人力で間違いが無い筈が無い。銀行さんでは3回チェックして、銀行によっては更に別の行員がチェックする体制になっていると聞くが厚労省なり役所にそこまで余裕があるとは・・・・)話を戻してStarFive社のサイト:
JH7110チップを使ったボードがVisionFive2という名称らしい。回路図も含めて情報が公開されており、例のArmbianもサポートしているのでmicrosd card imageはそれを使用。
私感だがコミュニティの規模の違いかSoC開発ベンダの規模の違いかハード・ソフトの情報は結構充実している印象。基本的には上記サイト(英語)を辿れば必要な情報は入手可能と思われる。ということで
1.VisionFive2
このボードもRPiの拡張コネクタと互換のようなのでRPi用のpHatをシリアルコンソール接続用に使用したが問題が2つ。1つ目はpHatのmicroUSBのVBUSはRPi拡張コネクタの+5Vと接続されているので、jp6をカットする必要がある。本ボードは5V,3A以上を必要とするので電源供給はボード上のUSB-Cかピンヘッダの+5VかACジャックを想定している。今回はPC用のUSB-C型ACアダプタを流用したので電源はUSB-Cからの給電となる。2つ目はpHatの圧電ブザーが鳴りまくる(起動時はHighレベルになるのだろう)のでpHatの流用を止めて真面目にFTDI3.3Vケーブルを使うのが吉。ボードのpHATに白いシールでIN CHINAと見えるのはブザーが煩いのでシールで蓋をした(それでも煩い)のでありました。あまり横着はせぬ様に:)。
1.1 GPIOコネクタ
ブザー音は別にしてPin6:gnd,pin8:uart tx,pin10:uart rx をそれぞれ対応するusb-serial等にクロスパッチで接続すれば良い。3.3V i/fである点をお忘れなく。
2.Armbian
ターゲットボード毎のページがあるのでimgファイルをダウンロードする。私はCLIで充分な人なので23.8のCLI(当時)を使った。後はmicrosdの展開・書込すれば準備完了。
3.起動
別段珍しくもない様なのでdmesgは省略。
3.1. /proc/cpuinfo,/prroc/verion
root@visionfive2:~# df
Filesystem 1K-blocks Used Available Use% Mounted on
tmpfs 398728 6752 391976 2% /run
/dev/mmcblk1p1 60396496 2139524 57623136 4% /
tmpfs 1993640 0 1993640 0% /dev/shm
tmpfs 5120 0 5120 0% /run/lock
tmpfs 1993640 0 1993640 0% /tmp
armbian-ramlog 51200 1296 49904 3% /var/log
tmpfs 398728 0 398728 0% /run/user/0
root@visionfive2:~# cat /proc/cpuinfo
processor : 0
hart : 1
isa : rv64imafdc
mmu : sv39
isa-ext :
uarch : sifive,u74-mc
processor : 1
hart : 2
isa : rv64imafdc
mmu : sv39
isa-ext :
uarch : sifive,u74-mc
processor : 2
hart : 3
isa : rv64imafdc
mmu : sv39
isa-ext :
uarch : sifive,u74-mc
processor : 3
hart : 4
isa : rv64imafdc
mmu : sv39
isa-ext :
uarch : sifive,u74-mc
root@visionfive2:~# cat /proc/version
Linux version 5.15.0-starfive2 (armbian@next) (riscv64-linux-gnu-gcc (Ubuntu 11.3.0-1ubuntu1~22.04) 11.3.0, GNU ld (GNU Binutils for Ubuntu) 2.38) #2 SMP Mon Jun 19 07:38:34 UTC 2023
root@visionfive2:~#
ちゃんとRISC-V64QuadCoreになっている(あたりまえ)。
4.印象
RISC-V(64も32も)もそろそろ知名度を僅かながらUpしつつあるのかもしれない。前にも書いたが応用面では支那が先行している印象で、プロセスのみならずライセンス問題(所謂変態大英帝国のファブレスへのお布施問題:)も含めて戦略的な価格設定に見える部分もある(RISC-V32のシングルチップマイコン等)のでRISC-V(64/32)も普及期に入っているのかもしれない(現場を知らない引き篭もりジジイの勝手な妄想です:)。
おしまい
20230626 1:34追記:
ArmbianのRISC-V64/32のボードサポート状況。現時点でRISC-V64/32の俗に言うPC的なものは存在してるとは言い難い(定義が無いので仮にMSなりAppleなり、可能性としては支那・ロシア勢かなぁ:)為、SBCの個々のPortingになるが、これも自然淘汰が行なわれ(あるいは絶滅し:)時の力で整理統合(或いは死滅:)が進んで行くのだろう。
歴史から言えそうな事は、RISC-VでWindowsなりMacOSなりLinuxなり、(TRONなり:)のPC相当なプラットフォームに拡大出来るか否かがRISC-V64の命運を決める(ARMの代替に届くか、タブレットや携帯電話に採用されるか、組込機器のプラットフォームとして地味に世界制覇を狙うか(20年前のARM社の如く:)だろうか(ありきたりな誰でも想達する話ですみません:)。個人的にはクンクンランド(というか西側システム)に対抗する(したい)勢力(具体的には支那、ロシア)が政治的理由も含めて”オープンな”RISC-Vプラットフォーム展開を促進し、それに世界がどう対応・反応するかが過去の屍たるマイコンアーキテクチャ(Alpha、MIPS、Power、Motorola、等々)を凌駕出来るかを決めるのではと20世紀のPC脳に縛られたおじ(い)さんは愚考するが、馬鹿の一つ覚えで申し訳ないがRISC-V64/32なりのキラーアプリケーションの創出が(上記PC風展開もその一つかもしれない)がこの新しい挑戦者の未来を決めるのだろう。