aki_iic’s blog

己の欲せざる処人に施す事無かれ、狂人の真似するは即ち狂人なり

RenesasさんのRISC-V32(R9A):e2studio/評価ボード編

 RenesasさんのRISC-V32(R9A)評価ボードの続き(脳内放置プレイ期間は実時間で28時間でありました:)。

 

1.e2studio(Windows版)

 Renesasユーザさんはご承知と思うので導入関連は本家サイトを参照。今回は個人故、Lite版でオプション全部にしたのでRX/RL/RA/RE/RZ/RISC-V(R9A?)のGCCなりLLVMを導入するので結構時間の掛かったがこれは最近のtoolchainでは通過儀礼だから黙々とインストール人形として作業する。

e2studio for windows using R9A risc-v32 evaluation board

 いきなりで恐縮だがR9A評価ボード(型番毎度の如く呪文レベルの名称故以下R9A評価ボード)の内臓ハードウェアデバッガ(J-Linkの様です)を接続してのstartup時のrisc-v32のアセンブリコード(ちょっと感激)。操作方法はeclipseベースのIDEとしては一般的な作法でhardware debuggerをj-linkに設定すれば(デフォルトはE1(risc-v)辺りになるようで)後はgdb-serverの設定・起動をやってくれて上記画面となる。プロジェクトはサンプルのblinkyを使用(定番ですな)。

e2studio for risc-v32(R9A)

 stepした画面。特に情報無しだが、risc-vの命令セットの学習が必要だな。

e2studio for risc-v32(R9A)

 ブレークポイントに戻って来た処。普通のeclipseベースのIDE(のRISC-V32バージョン)である。始めたばかりで今後色々あるかもしれないが第一印象は、まあ普通(こうでなければなるまい)。これだけの機能(RX/RL/RZらARM系/R9(RISC-V32))が無料で誰でも利用出来るのだから使わない手は無いだろう。Renesasファミリに限定されるとは言え、RX/RL/RZ/R9A(risc-v32)が無料で使えるのはお得感が高い。

2.ターゲットボード

R9A renesas risc-v32 evaluation board

 blinkyなので右下の緑のLEDが1秒周期(0.5秒x2)で点滅する。定番ですな(二回目)。評価ボードの右側1/3ぐらいにJ-Linkのrisc-v32バージョンのhardware debuggerが実装されている。今回デバッガ起動時にfirmware updateが有ったのでそれも含めて正常に機能しているように見える。

Renesas R9A reisc-v32 evaluation board

 殆ど全く意味無いがLED off時(blinkyにつき)の写真。この評価ボードにはUSを想定してかDigilentのPMODコネクタが2個実装されているが、GROVEコネクタのパタンも設けられており(コネクタ未実装、シルクはんだ面に記載)i2c,analogのGROVEコネクタ機器(所謂、中華系と言いますか)も接続可能となっている模様。何と言うか、ごくオーソドックスなbreakout boardであります。

 組み込みの世界は地味な世界なので一夜にしてARM M系列が衰退してRISC-V32のご時世が来る筈も無く(まあ、まともな頭を持ってる現場の方ならそんな酔狂は無いと思いますが)既得権益を強化する変態大英帝国ファブレスベンダとパターソンの直系のARM社のビジネスモデルを破壊する(大袈裟です)挑戦者のRISC-V陣営が今後血塗れの競争を演じるのか不発に終わって変態時世が続くのかはたまた・・・は5~10年経過しないと見えないし、10年経っても案外状況は変わらない(RISC-Vに強力なキラーアプリケーションが発現しない限り、或いはARM社のビジネスモデルに変化が起きるか世界情勢の変化(これはRISC-V陣営にシナ、ロシアと知財無視(じゃなくて軽視)する権威主義国家が多い背景もあろう、個人の見解です:)で状況が変化するのだろう。

20240408 0:48追記:そういえばCNもRUもWIPO加盟してますね。それと知的財産権遵守は別だったりするかもしれないが。