aki_iic’s blog

己の欲せざる処人に施す事無かれ、狂人の真似するは即ち狂人なり

第13世代プロセサ

 パソコンに関心のある方にとっては何ら違和感の無い事柄かもしれないが、同じプロセサ(マイクロアーキテクチャと言うのかな、Intel語では:)を13回も作り直してさも新しいブランド風に毎年リリースするというあフォな商習慣(個人的偏見入ってます:)を始めたのはTic-Tacとかいうグローブとかいうオッサンが始めたモデルと記憶しているが、流石に第13世代となるとパソコンに詳しくない者(私です)から見ると一生懸命開発されているメーカさんには申し訳ないが:

13年間も古いアーキテクチャに新しい(か否か疑わしい)小細工を繰り返すモラトリアム型ビジネスモデル

 に思えるのは私だけなのだろう(か|ね)。思えば1990年頃迄はプロセサはアーキテクチャが更新されると新プロセサとしてリリースされていたが2〜3年毎のリリースが一般的であったし、そもそもアーキテクチャが毎年更新されるなど考えられない(それは今でも変わらない筈)からIntelさんの第n世代とは無論、プロセス世代ではなくて、市場要求(パソコン市場の要求)にプロセサメーカが対応したモデルと言えるのだろう(今更ですが)。まあPC市場が右肩上がりで拡大傾向であった十数年はそれで良かったのだろうけどPC不況が武漢肺炎とその亜種による引き篭もり需要のリバウンドのみならずデカップリングによるサプライチェーンの再構築と市場の変化も含めてこのモデルが継続するのかと言えば、はてどうなのだろう:

www.intel.co.jp

 例えが適切ではないかもしれないがアーキテクチャデフレの時代というか古い皮袋に新しい酒というか13世代も基本的には同じプロセサアーキテクチャをこねくり回しているだけの会社にイノベーションがあるかといえば、そりゃプロセス技術はあった(過去形)のだろうが、今主力製品の64ビットプロセサは競合のAMD64であってIntelが開発した物ではない(Intel64とか言ってるけど負け惜しみにしか聞こえない)。いやマルチコア(最近はメニーコアレベル)はアーキテクチャの進歩と言えるが別段マルチコアはメインフレームの時代から存在したのだし(IBM 3084Qとか)物凄く偏った見方かもしれないがマイコンアーキテクチャは13世代(〜約13年)進化していないとも言える。そりゃ統合GPUとか各社独自仕様のAIアクセラレータが組み込まれているのは立派なアーキテクチャの進化と言えるだろうが64ビットが当たり前の昨今で次なる世代のアーキテクチャがどこかのコンピュータアーキテクトの脳内の創生されつつあるのだろうけれど、それはIntel社の中の人かといえばはてどうなのだろう。

 仮にこの13世代をアーキテクチャデフレ(勝手に命名)とするならばそれに恩恵を受けているのは無論、ソフト屋さんであって都度変わるプロセサアーキテクチャへの対応は最小限で済み、13世代前のコードがそのまま動くのだからそりゃ有り難い訳で

この辺は基本互換性が保証されない組込系システムとは異なる市場でもあるのだろう。

pc.watch.impress.co.jp

 その組込市場も最近はRISC-Vが少しずつ(本当に少しずつ)市場を広げようとしている様だが大半はARMプロセサであり、こちらはIntelとは逆にちょこちょこ非互換なアーキテクチャ改変で性能向上と機能追加を実現しているのはスマートフォーンを含めた組込市場向けプロセサアーキテクチャ且つSoC向けという事情があるのだろう。

 私の頭が古い為なのだろうけど、Intelの中の人のプロセサ屋さんは

13世代(〜13年間)同じアーキテクチャをこねくり回して何がしたいのだろう、いや市場要求に忠実に答えた結果だから正義!なのだろう(か)。

 皮肉な言い方をするならば13世代もソフト互換のあるプロセサを供給してくれるIntelさんの互換性重視戦略のおかげで13世代前のプロセサ搭載のパソコンでも最新のそれでも同じソフトが動く訳でAppleの如くユーザ切り捨てではない点は評価されるのかもしれないが当然の見方として13世代(或いはそれ以上)も進歩していないとも言える。プロセサメーカさんとして”我々は市場が要求するものを供給している”と開き直られるとそれはそれでおしまいなのだが。少なうとも市場が要求する性能・機能・価格を満たす製品を提供し続けているのだから文句を言われる筋合いではないのかもそれない(溜息)。

 結局私は何を言いたかったのだろう。。。