aki_iic’s blog

己の欲せざる処人に施す事無かれ、狂人の真似するは即ち狂人なり

懸念

 Boeingの異変については各所で報道される事があったようだが国内、特にBoeingから利権・利益を享受した方面からはまだまだ大丈夫・問題なしとの印象が見受けられた(主観)だがどうやらそうでも無いらしい。専門誌の翻訳サイトによると↓

aviation-space-business.blogspot.com

 B787の大幅遅延、バッテリ他細かなトラブルそしてB737Maxの人災(と言っても良いと勝手に考える。監督官庁含めて:)更にB777Xの遅延とBoeing民需部門はオウンゴールの連続で競合(2社しかない世界で)に塩を与えまくっているのが現実。上記サイトで指摘しているポイントは

また、ボーイングの社内設計能力に対する国防総省の懸念も、ボーイングに不利に働く可能性がある。ボーイングが2015年にノースロップ・グラマンに負けたのは、設計作業の多くをロッキード・マーチンに依存するボーイング戦略への空軍の懸念が一因である。T-7の設計の多くをサーブに依存することも、危険な戦術と見なされるかもしれない。ボーイングロッキード・マーチンの将来長距離攻撃機の損失は、ボーイングの共同入札へのアプローチの弱さを示唆しているのか。

 婉曲的表現だが官需、特に戦闘機・練習機では新規商談を取れたのはT-7だけでそれもこの記事によると開発にサーブが相当協力しているらしく言わんとせん事は

Boeingの技術開発力(当然マネジメント・経営判断含む)の著しい劣化

 とついにペンタゴンも懸念を明白にしたという事なのだろう(か|ね)。Boeingが関わった案件は官需・民需・宇宙関係問わずのきなみ遅延・延期・致命的ではないがちいさなトラブルの連続で解決に長時間を要しているのが明るみになり、投資家もそれを嫌って株価も低迷という悪循環に陥っている(ように私の偏見では見えてしまう)。

 民需で考えると独占(MDを吸収し、LMの民需部門はL1011以降参入無く)企業である弊害が少なくない気がするのは誰しも思う処であり、それが民需だけならペンタゴンも文句(という懸念)を示さぬがKC-46の体たらくを見ると無関係とは言えない(それも30年以上昔の設計のB767ベースでありながら)事になる。

 官需ではB-52は残存者利益で存続する様だし(B-1は退役するのに)B-52J or Kの改修事業でそこそこ売上はあろうがF-15EXがウクライナ戦争の影響で機数削減・海外商談も微妙でF-18EはF-35を買えない国(何処だろう?)には売れるかもしれないがE型でも1990年代の設計だから21世紀生まれのF-35に対抗出来る筈も無く。という既定状況を克服出来ぬ状態が常態化(競合がLMとNGでは相手が悪すぎるとも言えるが)しているとそりゃ中の人も商談連敗部門は縮小・リストラされるのは当然で戦闘機・練習機の技術開発力が喪失されつつあり、それを示すのが最近のBoeingの官需・民需問わずな状況なのだろう(かなぁ)。これって衰退(倒産とは言いません)企業の典型パタンで論理的ではないが民需には

DC-10の呪い

 が掛かっている(物ではなく経営陣という人に)と不吉どころではなく、民需のみならず官需の不振を鑑みるに(メディア様や評論家ではないが)

経営陣・経営体制の刷新(粛清)

 が処方箋とされなければならない様に思えるのはど素人の超外野のオジサンの妄想に過ぎないのだろう(か|ね)。ロールアウトセレモニーを偽装するのはどの企業でもやった事はあるかもしれないがその後もズルズル遅延を繰り替し(B787の事だ)、その原因は外注のせいで自分らのせいではなくプログラム遅延もやむ無しは最初は言えたかもしれないが二度三度と重なると”プライムの責任は何処へ?”となるのは自明でそれが繰り返され、責任が曖昧にされ、100名以上が死亡する設計欠陥事故が再発しても適切な対応を取れない経営陣と誤解を恐れずに言えば”腐りきった企業体質”は自浄能力欠如を示すものだからマトモな企業なら上記アクションを直ちに実行すると思うのだが(まあ、我が国にも総合重電企業が無責任経営陣で危機に陥り再建中という事案もままある様なのだが(悲し))Boeingに1950〜70年代のリスクを取って技術革新をチャレンジャーとして(人的・経営犠牲を厭わず)市場に挑戦するというスピリットは今のBoeingの有様を見るにとうの昔に喪失されてしまった様に見えてしまう(しつこい)。航空機産業はハイリスク・ハイリターンの産業だからリスク抑制も立派な経営方針なのだろうけど今のBoeing社は

経営バランスが悪すぎる

 様に思えてならない(他山の石)。。。