(今更ながら)F-35はもっと評価されて良いのではと考える理由

 スケジュール遅延と予算オーバーで何かと批判される事も多いF-35だが少なくとも過去の機体やプロジェクトで成し遂げられなかった3つの事を実現している点を高く評価したい。まあ航空業界とは無縁のド素人の妄想に過ぎないので寝言の様な物ですが一応

・その1:TFX計画を始めて実現した。

 TFXという三軍の矛盾した要求を曲がりなりにも実現し且つ実戦配備に漕ぎ着けただけでも奇跡のようなものであってF-111の失敗(空軍的には成功、海軍的には失敗)を振り返ると予算規模削減の為とは言え技術的にも予算的にも超難関の課題を(スケジュールと予算未達があったにせよ)解決し量産配備したロッキード・マーティンのプライムコンストラクタとしての実績は高く評価されるべきではないか。歴史にもしもは無いがもしX-32が選定されていたならばどうなっていただらろうか(昨今のBoeingの体たらくを想起しつつ)。

・その2:米国初のSTOVL機を始めて実用化した

 AV-8BはHarrierベース故ノーカウントとすると米国機初の実用STOVL機で且つ超音速且つステルス機というこれまた超難関な技術課題を実用化し更に三軍共通という更に高いハードルをも実現した点を高く評価したい。AV-8B後継問題が逼迫していた背景も有るだろうが目的達成の為ならば嘗ての敵国の技術をライセンス(Yak-141の事)すらやってのけるLM社の豪胆さと運の強さ(ソ連崩壊が無ければ実現しなかっただろう)も含めてプライムのLM社と要素技術を担当したP&W,RR,BAE systems社の成し遂げた技術革新は高く評価されるべきと考える。反面後継機開発は難航する筈で実現しない(UCAV等に置換される可能性)も充分有り得る。

・その3:上記技術的特徴+ステルス技術。

 実戦配備されたステルス戦闘機(自称を除く)としてはF-22に次ぐ2機種目(F-117は事実上攻撃機)という超難関を実現している。普通の技術開発ならばこれら3つの内の一つを実現するだけでも失敗する可能性が高い(実際、成功した事例は無い)のにこれら全ての超難関技術を実現したプライムのLM社とサブコン各社の実績は高く評価されるべき。

 何かLM社の回し者の様な文体になってしまったがF-22という基盤があったにせよTFX/STOVL/ステルスという超難関技術を予算超過やスケジュール遅延で危機を何度も迎えたとはいえ(これは新型機開発では避けられない運命)それを乗り越えて実用化に漕ぎ着けた開発参加企業、特に機体とエンジンの主契約企業(LM/P&W+RR)の実績は高く評価されるべきと考える。毎度の批判で悪いがBoeingの昨今の体たらくに比べると余計に巨大プロジェクトを纏め上げてきたプライムコンストラクタの実力の違いを痛感させられる(個人のド素人の勝手な感想です)。

 素人の寝言に過ぎないが現状のLockheed Martin社とBoeing社の違いはイノベーションへの取り組みと技術マネジメントの取り組みの差(つまりは経営判断の差)が如実に現れた結果ではないだろうか。無論LM社でもP-7のような守りに入りすぎて開発中止になった計画や技術要求を実現出来ずにキャンセルされた計画も多々有るが(数十年前迄は何度も経営危機に見舞われていた記憶も)それらを克服して現在に至る両者の道程はリスクを取ってイノベーションを実現した企業とそうでない企業の差と後知恵で断言するのは言い過ぎだろうか?