令和五年師走十七日現在も続き、人質3名を誤射したイスラエル軍の失態(冷静に表するにこう書かざるを得ない)を招いた経過についての記事。Newsweekより:
www.newsweekjapan.jp 蛇足かもしれないがライタの署名を転記するに:
DISASTER AT THE BORDER
この防衛網の基礎を成す技術は、米軍がアメリカの市民や国益を守るために、そしてNATO軍がロシアや中東との境界を監視するために使っている技術とほぼ同じだ。
それだけに10月7日、イスラム組織ハマスのメンバー2500人以上がこの防衛網を突破して、イスラエル側で約1200人を殺害し、約240人の人質を取った事件には、イスラエルの国民や軍事専門家だけでなく、米国防総省をはじめ多くの国の安全保障関係者が衝撃を受けた。
最先端技術を駆使したイスラエルの防衛システムが、ハマスのような比較的「ローテク」のテロ組織の攻撃を防げないなら、ロシアや中国など先端技術を持つ敵国は、アメリカや世界にどれだけ大きな混乱をもたらせるだろう。
イスラエルの技術的優位の象徴と考えられてきた壁が、急に欠陥だらけのザルのように感じられるようになった。
「米国防総省はとてつもなく大きな教訓を得た」と、ブルッキングス研究所のエイミー・ネルソン研究員は語る。
「最先端の防衛技術と最も近代的な軍を持つ国が、実戦に勝利するとは限らない。それでも奇襲を受ける可能性はある」
これは真理なのだろう。歴史は繰り返されるとも言うが(我ながら空疎な文ですね)。。。
実際、アメリカにとって最大の教訓は、先端技術は人間の代わりにはならないということだろう。
軍と安全保障高官らは、侵入者の撃退、ミサイルによる抑止、そして敵の盗聴という3つの重要領域でイスラエルがどのようなミスを犯したのか究明しようと躍起になっている。
「イスラエル軍は中東で最強であり、技術的にも最高レベルだ」と、民主主義防衛財団軍事・政治権力センターのブラッドリー・ボーマン上級ディレクターは語る。
「それなのに旧式の技術しか持たない敵が、1日の死者数ではホロコースト以来となるユダヤ人虐殺をどうやって成し遂げたのか調査が進んでいる」
最後のホロコーストは本件とは無関係で余計な記載な気もするが、イスラエル関係だと義務の如く書かねばならぬ心境になるのだろう(か)? それはともかく
ハマス程度の弱小集団がイスラエルのハイテク防御を突破できるなら、はるかに進んだ技術力を持つ潜在的な敵性国家が防御技術におけるアメリカの優位を脅かす可能性も考える必要がある。
「これらの国とその代理勢力のテロ組織は、ますます能力を高め、極めて高度な技術を手に入れようとしている」と、民主主義防衛財団のボーマンは言う。
中国とロシアは、今やサイバー戦争とAIのエキスパートだ。
独自のステルス爆撃機や、既存のミサイル防衛システムでは撃ち落とせない極超音速ミサイルを実戦配備している。
イランは世界有数の爆弾搭載ドローンの保有国であり、北朝鮮は射程距離1万キロ以上の核ミサイルを最大60発発射できる能力がある。
他山の石と言わず何と言えば良いのだろうか。現実に攻撃を受けているというのに。まあ、だから見える形で政府も反応しているのだろうけれど。
メディア様や文系活動家(理念くん:)には猫に小判だろうけども、一読の価値はある記事。