aki_iic’s blog

己の欲せざる処人に施す事無かれ、狂人の真似するは即ち狂人なり

半導体と安全保障

 今更ではあるが2022年10月に施行されたクンクンランドの半導体輸出規制について↓

xtech.nikkei.com

 日経はともかくXTechの記者(NEの記者と兼務らしい)は少なくとも理系で当業者勤務経験のある人が少なくない(そうでないと技術専門誌の記者にはなれない。どこぞの学生革命家気取りでまともな企業に就職できなかった新聞社さんと混同してはいけない:)、つまりは相応の信用がおけそうな記事と認識している。今回の規制強化は段階的施策の一貫であり徐々に厳しくしていくというステージを取っており、情緒や空気に流されかねない我が国の規制行政(最近は是正されつつある様ではあるが)とは異なり、安全保障=国の命運であり国益最優先の国家戦略が徹底されておりこの指標を同盟国(当然、我が国も含まれる)にも求める西側世界としては当然の動き:

半導体規制2022

 ココまで来ると支那でパソコンを作れなくなるのでは?とも一瞬思ったが半導体製造であって購入部品のアセンブリ・組み立て産業ではないからそれはそれで影響は少ないのだろうがサーバ向けの高性能CPU・GPUは既に規制が掛かっている(COCOMやEARのようなもの)のはこれまた当然と言えよう。そもそもNVIDIAGPUIntelXeon支那スパコンを開発して軍事用途(この手の先端技術用途は支那ではほぼ軍事用途)にクンクンランドの技術が使われていた状態自体が異様であったとも言える(それに加担したメーカさんも:)。これに関連した(サプライチェーン構築とカントリーリスク回避の為のリスクヘッジとしての)動きに最近異様に活発なTSMCの世界工場展開計画も無縁では無かろう↓

jp.reuters.com

 欧州はSTやNXPやドイツならばInfinionが自社Fabを持ってる筈だがTSMCの如き最先端のプロセスでは無く良くも悪くも量産向けマイコン・ASSPの工場であるし、そもそもリスクヘッジの意図が強い(TSMC事情の)今回の報道だから欧州企業も反対する理由は見当たらないのでは(ど素人の妄想故、見当違いかもしれません:)。一方我が国でも↓

www.nikkei.com

news.mynavi.jp

 まあ、そりゃ経産省さんの失敗の歴史を鑑みるにTSMCの熊本進出が決まったのはやはりTSMCの大口顧客である顧客の要求があったという至極ごもっともなお話。TSMCは米国、日本、欧州(検討?)に工場展開する事で数年後に現実となりうる台湾危機(仮称)に世界の先端半導体サプライヤーとしての責任と今風に言えばSDGsを確保する施策なのだろう(無論、大口顧客の国元であるクンクンランドの影響力大でもあろうが)。

まあ、この手の記事は文系活動家崩れや科学技術どころか小中学校レベルの理科算数すら理解出来ているか疑わしいメディア様(特に新聞、テレビの如き衰退産業さん:)の記者さんでは書けないよねぇ。。。