当方のBlogに時折登場するPSD8XX(PSD854,834,etc)なる部品ですが、その提供元であるST Microのサイトで開発ソフトウェア(PSDSoftExpress)が公開された様ですのでObsoluteな部品ではありますがそのエコシステム(開発ソフト、書き込みツール、等々)についての覚え書きを記しておこうかと思います。
0.PSD8XXについて
Programmable System Deviceの略称とされています(他にもPSM:Programmable System Memory等も)、それでは意味不明なのでデータシートのフロントページから引用するに

Features
■Flash in-system programmable (ISP)
peripheral for 8-bit MCUs
■Dual bank Flash memories
– Up to 2 Mbit of primary Flash memory (8
uniform sectors, 32K x8)
– Up to 256 Kbit secondary Flash memory (4
uniform sectors)
– Concurrent operation: read from one
memory while erasing and writing the other
■Up to 256 Kbit SRAM
■27 reconfigurable I/Oports
■Enhanced JTAG serial port
■PLD with macrocells
– Over 3000 gates of PLD: CPLD and DPLD
– CPLD with 16 output macrocells (OMCs)
and 24 input macrocells (IMCs)
– DPLD - user defined internal chip select
– MCU I/Os
– PLD I/Os
– Latched MCU address output
– Special function I/Os.
– 16 of the I/O ports may be configured as
open-drain outputs.
■In-system programming (ISP) with JTAG
– Built-in JTAG compliant serial port allows
full-chip in-system programmability
– Efficient manufacturing allow easy product
testing and programming
– Use low cost FlashLINK cable with PC
であって、要約すると:
・最大2Mbit (32KB x 8) Flash、
・最大256Kbit(32KB/8KB/2KB/0KBあり)SRAM、
・最大27本のプログラマブルi/oポート
・3000gate相当のPLDマクロセル
・これらをJTAGでISP(In System Programming)可能
というチップです。
更に短く言うならば、
ですね。ラインナップは:


ブロック図は:

まあ、こういう感じのチップであります(Obsoluteだけど)。
20250923 13:14追記:PSD8XXデータシートより、68hc11との接続例を示します↓

ご覧の通りGluelogic無しで接続されています。他にも8051系、8085/8088/80188等のマルチプレクスパス系、6800/6809/68000系らノンマルチ系でも同様に外部回路無しで(よく考えれば)構成可能ですがピンネックが予想される場合にはCPLD等と組み合わせるのも手かと思います(私はそうしてます)。
1.エコシステムについて
この様なチップなので少なくとも、
1.1 PLD部分を開発するツール
1.2 I/Oポートの定義を行うツール
1.3 Flash,SRAM,I/Oのアドレスとインタフェースを決定するツール
1.4 Flashへのコード(所謂ファームウェア)をマージしてメタデータを生成し、
1.5 JTAGでターゲットのチップに書き込む為の所謂JTAGプログラマ
が必要な訳です(技術思想は最近のチップと差が無いので解りやすいと思います)。
これらの1.1〜1.5を行うソフトが最初に申し上げたPSDSoftExpressなるソフトウェアであり、今回ST本家で公開されたソフトなのです。
それから1.5は書き込みの為に専用ハードウェア(JTAGプログラマというか開発ツールというか)が別途必要で3rdPartyから購入する必要があります(2025年9月時点でdigi-key等で約2万円)。
https://www.digikey.jp/ja/products/detail/iotize/RLINK-STD/9923059
2.PSDSoftExpressの入手方法
ここからzipを入手して解凍しますが、
WindowsXP以前のOSでないと動作しないので仮想マシン(VMWare等、ハードウェアアクセス(JTAGプログラマはWindriverでのUSB接続が必須:)が必要です。JTAG書き込みをしない場合(PSDSoftExpressを触るだけ)はWineを使う方法があります。
当方はUbuntu24.04.3でwine上で上記zipを解凍、インストール、実行しましたが、XP上の動作を求められるのでwineconfigで環境設定をおこなっておく必要があります↓

これを忘れると(Win7以降にすると)非対応OSと弾かれます:)

そして ~/.wine/drive_c/PSDexpress/EasySoft.EXE を実行すると

やっとPSDSoftExpressのトップメニューに到達します。後はマニュアル読んで使いこなせば良いだけ:)ですが、20世紀末のソフトなので(Win2k/XPの時代)技術思想、UI等々は広い心で対応する必要があります(意外と良く出来ています)。
#但し、wine上ではUSB接続(それもwindriver経由の)は出来ないのでJTAGで実チップを書き込む事は困難な様です(結局、VMが必要になる)。
最後にObsoluteなチップの入手方法ですが・・・当方長年探しあぐねたのですが・・・オークションサイト等で入手出来る場合がある様です(玉石混交ではありますが)が、EOL品なので(以下略)。
結局、RCAの6V6を持ってるのだが・・・的な文体になってしまったかもしれない(とほほ)。