aki_iic’s blog

己の欲せざる処人に施す事無かれ、狂人の真似するは即ち狂人なり

オープンデータ

 ロイター本家署名記事より。

 技術に色は無いから本記事でウクライナから同盟国に提供される戦場のオープンデータは活用次第で戦場用AIモデル開発に貢献する筈・・・

jp.reuters.com

[キーウ 12日 ロイター] - ウクライナのフェドロフ国防相は12日、同盟国が無人機(ドローン)の人工知能(AI)​ソフトを訓練できるよう、ウクライナ‌が戦場でのデータを提供すると発表した。
同盟国や企業はこれまで、ウクライナのデータセットへのアクセス​を求めてきた。こうしたデータは、戦場​における人や機械のパターン、形状、動⁠きを認識するAIモデルの訓練に不可欠とされる。
フェドロ​フ氏は、機密データを漏らすことなくAIモデルを安​全に訓練できるプラットフォームを構築したと説明。このプラットフォームは、常時更新されるデータと大​量の写真・動画を提供するという。
「ウクライ​ナは今、世界のどこも匹敵しない、独自の戦場データ‌を保⁠有している」とテレグラムに投稿した。
ゼレンスキー大統領の側近で、テクノロジーに精通するフェドロフ氏は、AIモデルの開発を加速させること​でウクライナ​も恩恵を受け⁠ると主張。開発されたAIモデルは対ロシア戦争で活用できるとし、戦場で​の自律型システムの役割を拡大した​いとの考⁠えを示した。

引用おわり。

 オープンデーター(といえるかどうかは微妙ですが)を教師データとして実践活用したい同盟国AIベンダ・政府機関には吉報なのでしょう(我が国は今回の同盟国の範疇に含まれるかは存じませんが)。

 戦争データ豊富なイスラエル、ロシア、米国のデータが提供される可能性は低いだろうし、記事からするに匿名データ化と学習データとしてのスクリーニングも成されている(加工の意味は慎重に咀嚼する必要があるかもしれませんが)データであればそれは当業者(政府)にとっては有り難いだろうし(何せ実戦データですから)。

また、ウクライナ軍のシルスキー総司令官は「効果的なドローンの開発ペースを加⁠速させる​必要がある」とテレグラム​に投稿し、「敵の攻撃ドローンに対抗するため、各部隊内にド​ローン迎撃小隊を編成している」と明らかにした。

 イランからのUCAVや巡航ミサイル、弾道ミサイルの飽和攻撃で湾岸諸国に損害が出ている状況(つまり米軍装備では飽和攻撃に対処出来ない側面がある現実:まあ、ウクライナ戦争での現実がそのまま反映された構図)から米国からウクライナにUCAV攻撃への対処支援を求められ、それに応えるウクライナは当然、自国防衛の為のSAM確保も「ディール」の一つなのでしょう(リアリズムですな)。

 特定の戦場での特定の戦果が教師データとしてどの程度役立つかはそれを運用しているウクライナの評価次第なのかもしれませんが我が国の如き法規制云々でデータ収集が困難な国にとっては(同盟国と認定されれば)有り難い情報源にはなるのでしょう(お値段がどの程度かは・・・ディールですからね:)。

 そう言えば日経Robotics今月号(2026年4月号)でNVIDIAがフィジカルAI強化という記事でVLAからVAMへ「NVIDIAの黒魔術:)」で応答性能を劇的改善とありました↓

xtech.nikkei.com

VLAよりVAMを重視

 NVIDIAは数年前からフィジカルAIを盛んに強調し、ロボット基盤モデルの時代が到来するという主張をイベント等の場で繰り返してきたが、必ずしもロボットAIの先端研究でブレークスルーとなるような技術を自ら開発してきた訳ではなかった。「GR00T」のようなVLAを投入してきてはいたが、どちらかというとフォロワー的な立ち位置だったといえるだろう(図4)。しかし、前号で解説したCosmo Policyに象徴されるように、ここ数カ月の間に、NVIDIAはロボットAIについて完全にモードが変わったようだ。ロボット領域においては、LLMベースのVLAよりも動画ベースのVAMが有望と判断し、VAMを重視して本気で開発するようになった注1)。

 

日経Robotics 2026年4月号記事より
図2 動画モデルベースのVAMとVLAの性質の比較
VAMは大量の動画で事前学習されている一方、VLAは大量のテキストで事前学習されている。VAMは動画を基にしており、元々ダイナミクスの知識が豊富なため、ロボットの学習データは特定の動作について数百回など繰り返し収集する必要はなく、その分、タスクの幅広さなどデータの多様性(diversity)にリソースを配分できる。一方、VLAがベースとするVLMはダイナミクスの知識に欠けるため、ロボット学習データの段階で特定の動作を繰り返し(repetitive)収集し、時間軸方向のダイナミクス知識を補う必要がある。

引用おわり。

 VLAにせよVAMにせよ教師データの質がモデルの完成度を制するのはどんな分野でも同じですから(繰り返しますが技術に色はありませんので)上記ウクライナ提供モデルはきっと役立つ筈・・・です。