aki_iic’s blog

己の欲せざる処人に施す事無かれ、狂人の真似するは即ち狂人なり

ハードウェア回帰

 Forbesの記事だが当方の価値観(というか一般的:敗戦国:日本人の価値観と言えるかどうか:)とは微妙に異なるが、米国内にハードウェア回帰(それも安全保障というか軍事産業)の動きについての記事。記者によって方向性が大きく異なるのはメディア様の持病の様なものでどの記事でも均一な権威主義国家のそれよりは健全でもあり読む価値もあるのだろう(多分、ね):

forbesjapan.com

 この記事、記者さんが読ませる為に装飾に重きが置かれている(偏見です:)様なのでその辺りの上澄みを除去するに:

2016年にグーグルが、従業員からの反発を受けて国防総省との契約を破棄して以来、VCは防衛テクノロジー企業に1000億ドル(約15兆6000億円)以上の資金を投入し、シリコンバレーの異端児として知られるパルマー・ラッキーが立ち上げた軍事ドローン企業のアンドゥリル・インダストリーズのようなスタートアップを台頭させた。

ラッキーをお手本とするグンド・ブラザーズたちは今、シリコンバレーに新風を吹き込もうとしている。彼らは、筋トレに励みながらコードを書き、毎週ビーチで焚き火をしてエナジードリンクを飲みまくる。B-2という名の爆撃機で知られるノースロップ・グラマンロッキードのような先駆者たちが軍需産業の基盤を築いたエル・セグンドに拠点を構える彼らは、米国がハードウェア製造の原点に立ち返るべきだと主張している。

 若者の風俗にはコメント出来ないが、NGやLMの拠点からのハードウェア製造のスタートアップとは昨今のウクライナ戦争でのUAV/UCAVの大活躍(既に戦争を左右する領域にも達しつつある、それに到底追いつけない狐:)にも関連しているのか否かも解らないけど、チャンスの国でもあるし、悪の枢軸21世紀バージョン(メンバは同じ)の活性化もあって、ハードウェア含めた防衛産業・宇宙産業が活性化しているのは当然とも言えるし、事実上冷戦状態に70年時計の針を巻き戻した2022年(2014年)からこれらの産業への萌芽があったのかもしれない(ど素人の勝手な妄想です:)。

 そういえば失敗続きのBoeingがE-4の後継機のプライムの受注に失敗(まあ、ドンガラ製造は受注するのだろうが)した様だし:

trafficnews.jp

 企業には寿命というのがあって、ひょっとしたらイノベーションを生み出せなくなった(Boeingがとは言ってませんよ:)重圧長大な老舗防衛産業も曲がり角(Chapter11とか、分社化とか、M&Aとか)に来ているのかもしれない。毎度引き合いに出して恐縮だがそれら死屍累々の中でしぶとくしぶとくChapter11を運も見方にして躱しつつリスクテイカーのポジションを諦めず今の盛況に至るLMの生命力や機体(ドンガラ)は下請けなり入札せずというコスト感覚と代わりにアビオニクスビジネスに社内リソースを振り向けた(すみません、ど素人の憶測です。)NGとの違いでもあるのだろう(か|ね)。

 話を戻すとかの若手起業家さんらは:

次世代原子炉のスタートアップ、ヴァラー・アトミクスをこの街で設立した起業家のアイザイア・テイラーは、グンド系の創業者たちの価値観を1950年代のタバコの広告になぞらえた。

「米国は復活した、男たちはロックだ、ニコチンはいいものだ、我々は再び月に行く(そして火星にも)といった空気が、ここにはあります。ソフトウェア企業ばかりが注目されるのは、もううんざりなんです」と彼はフォーブスに宛てたメッセージで語った。「自国を守ることは良いことであり、そのための兵器システムを作るのは素晴らしいことです」

 この辺りは人により反応も違うのだろう。金物という実態に憑依するソフトウェアがもてはやされたのはPCとクラウドとInternetという標準化されたスキームのおかげでハードウェアが抽象化(彼らが大好きな言葉:)された影響が大きく、それを人類全体が享受しているのも現実ではあるが、1970年生まれのPCとその企業(とくにソフトウェア)は未だに青画面しか出す芸の無いポンコツ企業が90%以上のシェアを維持しながらEU様のDMAに引っかからない不思議妖術空間であり、上記若手金物主義者(勝手に命名:)らにとっては抗うべき存在なのだろう(独自解釈、結構入っています)。

 上記記事を好意的(都合よくとも)に解釈するとアメリカは再び1950年代から始まるイノベーションの世紀に回帰しうる可能性を掴みつつあり、それに貢献するのが我々(願望)と読むと夢の再現でもあるのだろう。

 どうか上手く行きます様に・・・まあ、生存競争だから死屍累々の中から力強く新世代企業が誕生する・・・のがアメリカンドリームなのだろう。その活力いは驚愕しますな(嘆息)。