aki_iic’s blog

己の欲せざる処人に施す事無かれ、狂人の真似するは即ち狂人なり

intelさんのリストラ(新CEO編)

20250401 23:01追記:ブルームバーグの記事より:

www.bloomberg.co.jp

半導体メーカー、インテルのリップブー・タン新最高経営責任者(CEO)は、顧客のニーズにより的確に対応するため非中核事業をスピンオフ(分離・独立)させると表明した。カスタム半導体などの新製品開発にも取り組む意向を示した。

  タン氏はどちらの部門の売却を目指すか示唆せず、両部門の業績改善のために解決すべき問題を強調した。特にデータセンターと人工知能(AI)向け半導体の性能は不十分だと指摘。 「当社は技術革新で後れを取った。顧客のニーズへの対応が遅過ぎた」と述べた。

  タン氏(65)のCEO指名は当初楽観ムードを呼び、一部投資家がインテル株に戻った。しかし3月18日のCEO就任以来、同社株は他のテクノロジー株と共に下げている。タン氏のプレゼンテーション後の時間外取引で、インテルは一時約1.2%安を付けた。

  同氏はまた、多くの大口顧客がカスタム部品を求めていると述べ、同社はそれに応えるつもりだと話した。 

  タン氏はインテルの問題には即効薬はないが、必要なだけ時間をかけて取り組むとあらためて強調。「一夜にして解決するものではないが、必ず解決できると信じている」と語った。

引用おわり。課題と解決手段いづれも常識的な発言(凡庸とも)に見えるが最後のパラグラフは経営立て直しの為に召喚されたCEOの定型文なのだろう(大変ですな)。

 まづは高処遇でデータセンタ(CPU)とAIのアーキテクトを競合なりベンチャからスカウトする事からだろうか。非プロセス部門でも待遇を担保するのが社内的には大事かもしれないが:)

 

 

20250325 05:52追記:EETimesの記事より:

www.eejournal.com

一部引用(機械翻訳):

インテルの新 CEO として、タン氏は世界最大の半導体複占、つまりインテルAMD を包囲する x86 プロセッサの厳格に SKU 化された世界に足を踏み入れることになる。タン氏は、EDA 分野で同様の複占である Cadence と Synopsys を相手に 10 年以上を費やしてきた。タン氏が、強豪の競合相手との付き合い方について多くのことを学んできたことは間違いないだろう。タン氏が AMD の CEO リサ・スー氏と対決する際に、その教訓を生かしてくれると確信している。タン氏は、この仕事に十分対応できそうだ。

 

専門家の中には、タン氏を筆頭とするインテルが、NVIDIA GPU の効果的な競合製品を直ちにリリースすべきだと主張する者もいる。この市場ではインテルは大失敗している。たとえインテルが明日素晴らしい GPU や AI チップを発表したとしても、そのシリコンはソフトウェアとそのソフトウェアをサポートするインフラストラクチャがなければ役に立たない。NVIDIA 独自の Cuda プログラミング言語は、AI 分野における単純な競争の動きに対して、ほぼ乗り越えられない障壁、つまり壁として機能している。AI 分野でのインテルの後れをとった立場をすぐに改善できるとは思えない。インテルはこの問題を金で解決することすらできない。AI 分野でインテルを主導的立場に押し上げてくれるような、買収できる価値のある NVIDIA の競合企業が存在しないからだ。私が数えたところ、インテルはこれまでに 3 つの AI 企業を買収しているが、その結果は赤字に終わっている。ここで奇跡を期待してはいけない。

一方、すでに大規模な経営再編が進行中であるという報道もある。マックス・A・チャーニーによるロイターの記事(「独占:インテルの新CEO、製造とAI事業の全面改革を計画」を参照)では、タン氏がインテルの中間管理職に斧、あるいは突然話題になったチェーンソーで厳しく叱責する可能性があるとしている。タン氏が行うことは、決して不可能ではない。経験豊富なベンチャーキャピタルとして、タン氏は会社の数字をうまく機能させるために人員削減をすることには慣れている。また、タン氏はインテルマーケティング部門が大きすぎると感じるかもしれない。特にタン氏はマーケティング部門を1人で運営することに慣れているからだ。

タン氏の口述歴史は、インテルに就任するずっと前、ケイデンスの CEO だったときに記録されたものである。その口述歴史の中で、タン氏はケイデンスに持ち込んだ経営哲学について語っており、それは間違いなくインテルにも持ち込むことになるだろう。

「私は大学のチームでバスケットボールとバレーボールをやっていましたが、常に「ワンチーム」の文化を信じてきました。そのため、会社(ケイデンス)は機能不全に陥っていて、多くのサイロがありましたが、私はワンチーム文化に変えて、私たちがワンチームとして働けるようにしようとしました。これは私が注力した大きなことの 1 つであり、現在も注力しています。2 番目に、顧客の声に耳を傾け、顧客重視を最優先事項に据え、顧客を喜ばせることに重点を置くことが重要です。3 番目に、私はベンチャー キャピタルのトレーニングを活用しました。遅れをとっている場合は、競争相手を追い抜かなければなりません。最高の人材を採用し、デザインを改善して競争相手を追い抜く計画を立てる必要があります。」

それは確かに、インテルが少なくとも同社の失われた勢いの一部を取り戻すために必要なことのように思えます。

引用おわり。このライタさんはcudaエコシステムに対抗しうる物をintelM&Aで構築出来る可能性は無く、AI事業についてのハードルの高さを示唆している様です(個人的には納得)。

 エコシステムの弱さはintelの伝統的弱点でもあり、金の力(市場規模)で従来は3rdPartyがそれを補ってくれていたがAIなる新市場でそれを成すには・・・AMDを買収、とか?

 

20250321 08:49追記:これもiTmediaの記事だが新CEOをアナリスト(どの方面のアナリストかは不明)は高評価、らしい:

eetimes.itmedia.co.jp

 TechAnalysisのアナリストであるJeff Koch氏は、EE Timesの取材の中で「Tan氏はIntelファウンドリー部門を顧客第一の組織へと再構築するための『強力な選択』だといえる」と述べる。

 「Tan氏が取締役を退任した理由が『動きの遅い官僚的組織に不満を感じたから』だったという点を踏まえると、同氏はスピードアップとスリム化を最優先する可能性がある。Intelの動きが遅く非効率的な中間管理職の、大幅な再編が期待される。近年は経営側の立場にあるが、技術的な知識もある。技術的視点から職務を担うだろう。これは、財務工学に焦点を当ててIntelに長期的な不利益をもたらした一部の前任者たちとは対照的だ」(Koch氏)

 市場調査会社International Business Strategies(IBS)のCEOであるHandel Jones氏は、Tan氏と長年の知り合いだ。Jones氏はかつてCadenceのCEOを務めた経歴を持つTan氏について「Intelにとっては良い選択だ」と述べている。

 官僚組織解消(意思決定迅速化)、非効率な中間管理職リストラ、MOT(大雑把ですみません)と上記アナリストさんの視点では過去の経営者(前任者ではるi486を開発したエンジニア出身のゲルシンガー等)と比べてバランスが良いらしい。

 まあ、すげ替える首はいくらであるのだから打てる手を打てば良いのでしょう。

 個人的にはアーキテクトの待遇改善を提案したい:)

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 同じくiTmediaの記事より。新CEOはケイデンス会長経験者らしい。個人的にはケイデンスってCAEベンダという認識なのだが・・・

www.itmedia.co.jp

 米Intelは3月12日(現地時間)、かつて同社の取締役を務めたこともあるリップ・ブー・タン氏(65)を新CEOに任命したと発表した。18日付で就任する。

 Intelでは業績悪化の中、昨年12月にパット・ゲルシンガー氏がCEOを退任し、取締役会が後任を探す間、デビッド・ジンスナーCFO最高財務責任者)とエグゼクティブバイスプレジデントのミシェル・ジョンストン・ホルトハウス氏が暫定CEOを務めてきた。

 マレーシア出身のタン氏は、マサチューセッツ工科大学原子力工学修士号サンフランシスコ大学MBAを取得した。Intelの発表文によると、同氏はテクノロジー業界における深い専門知識と幅広い人脈を持ち、顧客中心のイノベーションを重視し、高性能な企業文化を構築するリーダーとして知られているという。

 2009年から2021年まで米EDACadence Design SystemsのCEOを務め、その間にCadenceの収益を2倍以上に増やし、株価を3200%以上上昇させた。

 2022年からIntelの外部取締役を務めていたが、昨年8月に取締役を退任した。

 タン氏はIntelのCEOとして、同社をエンジニアリングに重点を置いた企業にしていくと語った。Intelを一流の製品企業およびファウンドリとして再確立することを目指すとしている。

 あと何人CEOを入れ替えるかは予想がつかないがintelの直近の課題がNViDIAに対抗し得るGPU開発らしいから(その方針で行くの?)昨今変化著しいAI市況(今の流行りはLLMだろうか)に即応する力を育成するには・・・もっとアーキテクト(AMD64:intel64ではなくて:)を手厚く処遇する人事制度にしないといかんのでは・・・と個人的には思います(見当ハズレでしょうけど)。

 

20250319 06:24追記:ロイターの記事より。古きintelを維持したかった前CEOを批判して取締役を辞任した経緯のあるのが現CEOらしく、意思決定効率化の為に中間管理職のリストラとAI部門の改革を行うらしい。

jp.reuters.com

[サンフランシスコ 17日 ロイター] - 米半導体大手インテル(INTC.O), opens new tab最高経営責任者(CEO)に18日就任するリップ・ブー・タン氏(65)は、半導体の製造と人工知能(AI)戦略に関して大幅な変更を検討している。関係筋2人がロイターに明らかにした。業績低迷からの復活に向け、抜本的な改革を目指すという。
新たな方針にはAI向けの戦略再構築や、中間管理層を主な対象にした人員削減も含まれる。製造業務の刷新が最優先事項の1つに位置付けられているという。
関係筋によると、タン氏は短期的には、マイクロソフト(MSFT.O), opens new tabやアマゾン(AMZN.O), opens new tabなどを顧客にした受託生産事業の業績改善を目指し、新規顧客を積極的に獲得する方針。AIサーバー用半導体の生産計画を再開し、サーバー以外の分野にも目を向けている。
タン氏は取締役在任時、前任のゲルシンガー氏の方針を公然と批判。組織の肥大化で意思決定に時間がかかりすぎると不満を示していたという。タン氏は昨年、改革の必要性を取締役会に訴えたものの、聞き入れられずに昨年8月に取締役を退任した。
業界アナリストやインテル幹部がロイターに語ったところによると、少なくとも2社の大口顧客を新たに獲得できれば、インテルの受託製造事業が軌道に乗る可能性があるとしている。
また、業界関係者などは、インテルがAI向けの新たな半導体の仕様を開発できるのは早くても2027年になると見込んでいる。

引用おわり。

 MSやAmazonからの受託生産(恐らくAI半導体関連)・・・顧客としては悪くないかもしれない。intelの本業(自社比)のプロセス屋の実力はTSMCら本業ファウンドリの後塵を配しているのは周知であり政治力の影響もあるのかもしれないが悪くないのかもしれない(持続して顧客の信用を確保出来れば)。