aki_iic’s blog

己の欲せざる処人に施す事無かれ、狂人の真似するは即ち狂人なり

OlimexとEagleとレトロマイコン(昔々)

20250101 05:57 hc11e_v0,tms9995_v0の実ボード写真追加

 Eagle+Olimexネタで昔(2007〜8)年に作ったボードを幾つか記してみる。当時は何となく薄っすらとした今で言うところのレトロマイコンブーム(Olimex+Eagleで簡単・安価に基板注文可能となったのを契機として)のようなものが有ったような気が。記憶の範疇で挙げてみるに:

・MC68HC11+C8051F330

・TMS9995

・uPD8085A/80C85A

・80C32(NXP)

Z80(20Mhz,Zilog)

・uPD80C39

・CDP1802

 等々。どれもジジババ(失礼)世代の方々ならご存知のチップかと思われるがその中で最初に作ったHC11と2番めの9995と三番目の8085Aについて述べる。

1.MC68HC11E1 + PSD854F2 + C8051F330

 最初にEagle+Olimexで基板注文したデザインで出来るだけ失敗したくなかったので結構堅実な設計になっている。MCUmotorola(freescale,現NXP)の68HC11E1でMC6800上位互換のマイクロコントローラ(MCU)である。PSD854というのはST(オリジナルはイスラエルのWSI)から販売されてたProgrammable System Deviceと称するFROM+SRAM+PLD+IOportを52PLCCに集積したデバイス。PLDのプログラムはPSD-Abelという専用のAbelで行いそれ含めたFlash書込み、コンフィグレーションはPSDSoftExpressという専用ソフトで開発・デバイスの書込みを行う。このチップのおかげで面倒なグルーロジックはPSDのPLDブロックに押し込めるとランダムロジックを大幅に削減出来るので構成がすっきりしたと思う。

・回路図

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m68hc11e1_v0.sch

・パターン

f:id:aki_iic:20210724141537p:plain

m68hc11e1_v0.brd

・基板イメージ

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m68hc11e1_v0_boardimage

 オートルータのパラメタ調整方法が良く分からず拡張バスの配線が出来なかったのでコネクタだけ配置している(飾り)。

20250101 05:52追記:実物を発掘したのでその写真を追加:

・hc11e_v0(MC68HC11E1+PSD854+C8051F330)

hc11e_v0_L2_20241230

 16年前に製作した物故か保存状態が悪い為かよく見ると金属コネクタ(USB-B)が錆びています。16年の時の流れを感じる・・・

 本ボードはEagle+Olimexで最初に製作した基板なので相当慎重に入念に確認を繰り返した記憶があります。その甲斐あってか無改造で1回でbuffalo32が起動しました(ちょっと嬉しかった:)。

 右上のC8051F330は当時シリラボから8051互換でCPI改善+25Mhzクロック(max)が流行してたのでPS2キーボード制御用にと思って搭載したのですが結局使用せず。左下の青いDIP-SWはSpecial BootStrapModeのモード選択用です。右下のDSub9Pinは当時(16年前ですので)はEIA574が一般的だったのでUSB-Serial経由でminicom等のターミナルに接続しておりました(以下同様)

hc11e_v0_L1_20241230

 こちらは半田面(L1)。Eagle+Olimexでは160×100mm、2層が最大で本機の如き小規模なボードは80×100mmが一般的でした。見ての通り無改造で動いてくれたので努力が報われた様な・・・なのでこれ以降狂った様に(言葉どおり)tms9995,8085,8032,8049,z80,cdp1802と主に8ビットマイコンDIP(PLCC含む)な2層基板をOlimexに発注しまくるのでありました(なつかし)。半田付けも今の比べりゃマシに見える(自己評価です)ので老いを感じる今日この頃(特に目が・・・)。

 ソフトウェア(デバッグモニタ)はbuffalo32というモトローラ純正モニタのソースがaslに添付されてるのでそれを修正して利用。僅か8KBでワンラインアセンブル・逆アセンブル、メモリダンプ、ステップ、BP、レジスタ表示等一通りの機能が搭載されておりチップを動かすのが目的の暇人には有難いソフトである。

2.TMS9995 + PSD854F2 + 16550

 TIの16bitマイコンでpush down stackを備えないTI99系の最下位の16bit(8bit bus)マイコン。サブルーチンコールはBranch and Link命令で行いスタックポインタは存在しない。アーキテクチャは大昔の16bitミニコン臭がするがスタックが無いので私は馴染めず(マイコン入門はM6800だったのでスタックポインタはが有るのが当たり前の世代)何度か挑戦したが結局UARTにテストパタンを表示するレベルで止まってしまった。

・回路図

f:id:aki_iic:20210724143137p:plain

tms9995_v0.sch

・パタン

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tms9995_v0.brd

・基板イメージ

f:id:aki_iic:20210724143356p:plain

tms9995_v0_boardimage

 まあレトロマイコンの懐古主義で作ったようなものでありまして。

20250101 05:55追記:実物を発掘したので写真を追加、但しPSD854はm68030_v0用に借用したので未実装:)

・tms9995_v0(tms9995+PSD854+16550)

tms9995_v0_L2_20241230

 こちらはTIの初期の16bitマイコンであるTMS9995を使ったボードです。右のソケットに実装されていたPSD854をm68030_v0の為に拝借(共食いとも、ゴメンね)したので未実装になっています。

 ジジババ世代の方はご承知かもしれませんがTMS9995はTMS9900の8bitバス版(i8088のようなイメージ)ですがTIらしく個性的なアーキテクチャで何とスタックポインタが存在せず、大昔のメインフレーム(IBM360互換機の如く)BL(Branch and Link)という命令が用意されていたスタック無しでサブルーチンコールを行うというミニコン的な(ああ、主観の問題ですよ)アーキテクチャに興味を惹かれたので2番めのEagle+Olimexボードで製作しました。

 もっともこの様なアーキテクチャなのでMC6800で最初のマイコンを体験した世代の私にはプログラムが難し過ぎてシリアルポートにテストパタン表示が精一杯で終わってしまいました、が今はUMONが入手可能なので再挑戦するのも由かなと思っています(どこかに眠っているPSDチップを回収出来たら・・・の話しですが)。

tms9995_v0_L1

L1(半田面)ですがジャンパが飛んでおります:)まあ、それでも手配線に比べりゃ圧倒的に楽にセットを組めるので上記の如く狂ったように(言葉どおり)基板作りまくった記憶が。

 猫型人間故、作業にもムラが多いのでありました:)

 

3.uPD8085A/80C85A

 超有名チップなので説明は省略。

・回路図

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8085a_v0.sch

・パターン

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8085a_v0.brd

 オートルータのコツが少し分かってきたので拡張バスを引く事が出来た。

・基板イメージ

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8085a_v0_boardimage

4.まとめ

 昨今ではIMT部品の入手も難しくなっているようだが目の悪いオジ(い)さんが酔狂にも電子工作をするならばSMD部品はかなり厳しい。そもそも久しくハンダ付けやってないのでその辺からリハビリしないと駄目そうな気がする。