aki_iic’s blog

己の欲せざる処人に施す事無かれ、狂人の真似するは即ち狂人なり

Intelはどこで間違えた

 EEtimesの記事。個人的にはそうかもしれないと思わせる処もある様も見えるがどうでしょうか? 厳しい言い方をすれば所詮、評論家の後知恵(当業者業界に居た方とは言え)故、それを含み置いた方が良いと捉えています(私見)。

eetimes.itmedia.co.jp

 以下引用:

なぜ、Intelがこれほど不調なのか? その原因はどこにあるのか?

 本稿ではその根本原因を分析する。結論を先に述べると、Intel不調の原因には、第5代目CEOの故Paul Otellini氏と第7代目CEOのBob Swan氏による2つのミスジャッジがある。そして、2005年から2009年にかけて、約10万人の社員のうち約2万人をリストラしたことが、その後の微細化の不調を招いた根本原因であることを論じる。

 その上で、2021年の13万人超から、2年間で約3万人をリストラしようとしているIntelの未来は非常に厳しい事態になるであろう私見を述べる(図2)。

図2 Intelの歴代CEO、Node(nm)、半導体売上高、社員数、ミスジャッジと不調の根本原因図2 Intelの歴代CEO、Node(nm)、半導体売上高、社員数、ミスジャッジと不調の根本原因[クリックで拡大] 出所:Intelのアニュアルレポートを基に筆者作成

スマホの破壊的イノベーションに駆逐されたPC

 Intelは2000年頃から、携帯電話用プロセッサ事業に参入しようとしてM&Aを繰り返していた。しかし、どれもうまくいっていなかった。そのような中で、AppleからiPhone用プロセッサの生産委託の打診を受けたわけだが、今から考えると、これはIntelにとって千載一遇の大チャンスだったわけだ。しかし、Intelはその「大魚」を逃がしてしまった。

 それどころか、2007年にAppleiPhoneを発売すると、世界中にスマホが普及していき、「スマホがあればPCは必要ない」という人が増えたため、PCの出荷台数が2011年の3.7億台でピークアウトしてしまった(図3)。

図3 PCとスマホの出荷台数図3 PCとスマホの出荷台数[クリックで拡大] 出所:IDCのデータを基に筆者作成

 要するに、PCはスマホの“破壊的イノベーション”に駆逐されたわけだ。InteliPhone用プロセッサの生産委託という大魚を逃しただけでなく、スマホの爆発的普及によって、PC用プロセッサの売上も低迷する事態に見舞われたことになる。まさに、“泣きっ面に蜂”であろう。

 その後、IntelAppleからの生産委託を断った事件は、「Intel史上、最大のミスジャッジ」といわれるようになった。その責任を追及されたOtellini CEOは、2013年に辞任に追い込まれた。

 間違いその1.AppleからのSoC(今のA/MシリーズSoC、所謂Apple Silicon)受託を断った事と投稿者は指摘している。後知恵ではあるし、当時のIntelの業績とDNA(ああ、悪い意味も含むがプロセス屋のIntelにはSoC感覚は無い。だからAppleが委託を申し入れて来た:)からしてPC市場の堅調も含めて結局歴史は変わらなかったのではというのが私の後知恵の後知恵:)続いて:

第2のミスジャッジ

 第2のミスジャッジは2017~2018年に起きた。2024年8月8日付のReutersニュースによると、「約7年前、同社(Intel)は当時、生成型人工知能(AI)と呼ばれるあまり知られていない分野に取り組む新興の非営利研究組織であったOpenAIの株式を購入する機会があった」という。

 そして、前掲ニュースには、「関係者3人によると、両社の幹部は2017年と2018年の数カ月間、Intelが10億米ドルで株式15%を取得するなど、さまざまな選択肢を協議した。また、Intelが原価でスタートアップ企業向けにハードウェアを製造することを条件に、OpenAIの株式15%を追加取得することも協議したと関係者2人が語った」とも書かれている。

 しかし結果的に、IntelとOpenAIとの取引は成立しなかった。その理由として、前掲ニュースは以下の2つを挙げている。

 「その理由の1つは、当時のCEOのBob Swan氏が、生成AIモデルが近い将来に市場に投入され、チップメーカーの投資を回収できるとは考えていなかった」

 「OpenAIはIntelからの投資に関心があった。この投資によってNVIDIAのチップへの依存が減り、自社のインフラを構築できるようになるためだ。しかし、Intelのデータセンター部門が原価で製品を作ることを望まなかったため、取引は成立しなかった」

 そして、この後、事態は急変する。

OpenAIがChatGPTを公開

 2022年11月30日、OpenAIがChatGPTを公開した。ChatGPTは瞬く間に世界中に普及し、ユーザー数は2カ月で1億人を突破した。また、ChatGPTの性能は急速に向上した。さらに、ChatGPTに対抗しようと、世界中で爆発的に生成AIの開発が始まった。今や世の中は、生成AIブームの真っ只中にいる。

 そして、Intelが10億米ドルの出資をケチったOpenAIの評価額は800億米ドルを超えた。加えて、Intelが製造を拒否したデータセンター向けのAI半導体は、NVIDIAがほぼ独占するに至っている。

 もともと、データセンター向けの半導体Intelの主力ビジネスであり、2021年頃までは世界1位の出荷額を誇っていた。ところが、2022年11月30日にChatGPTが公開されて以降、Intelの出荷額がジリ貧であるのに対して、NVIDIAが急成長し、2024年4月には226億米ドルを記録した。

 Intelの出荷額は同時期に、わずか30億米ドルにとどまっている。そして、AI半導体NVIDIAに対抗しようとしているAMDが28.3億米ドルとなり、Intelに並びかけている(図4)。

 もし、IntelがOpenAIの株式を取得し、AIサーバ向けの半導体を生産することになっていたら、世界の半導体の趨勢(すうせい)は、今とは大きく異なっていたのではないか。またしてもIntelは、大魚を逃してしまったとしか言いようがない。

図4 データセンタ向け半導体の出荷額図4 データセンタ向け半導体の出荷額[クリックで拡大] 出所:各社の決算報告のデータをを基に筆者作成

 う〜んご説ごもっともだが所詮は無責任評論家の後知恵に過ぎない。Intelは大魚を逃したのではなくて既に網にPCという大魚で精一杯だったから確率的未来が見えなかっただけなのでは。これもIntelの企業体質だから一朝一夕に変わるとは個人的にはとうてい思えない。Intelの現在の状況は起きるべくして起きたと個人的には鑑みる。例が悪いがBoeingの状況との類似性を感じるのは気の所為だろうか。更に続き:

ntel不調の根本原因とは

 ここまで見てきたように、Intelは過去に2つのミスジャッジを犯してしまった。Intelの立場に立ってみると、この2つのミスジャッジが無かったら、と思わざるを得ないだろう。筆者にとっても、半導体メーカー(だけでなくあらゆる会社)の経営が、いかに難しいかを痛感させられるエピソードである。

 しかし筆者は、現在Intelが苦境に陥っている根本原因は、2つのミスジャッジとは別のところにあると考えている。その根拠を以下に示す。そこで、あらためて図2を見て頂きたい。Intelは、過去に社員をリストラした局面が2回あることが分かる。

図2 Intelの歴代CEO、Node(nm)、半導体売上高、社員数、ミスジャッジと不調の根本原因図2 Intelの歴代CEO、Node(nm)、半導体売上高、社員数、ミスジャッジと不調の根本原因[クリックで拡大] 出所:Intelのアニュアルレポートを基に筆者作成

 1回目は、2000年(Intelの従業員数8.6万人)~2002年(同7.9万人)で、ここでIntelは約7000人をリストラしている。これは、2000年にITバブルがあり、2001年にそのバブルが崩壊して半導体不況に陥ったことが原因であろう。従って、やむを得ない措置だったと思う(筆者も、この半導体不況によって当時勤務していた日立製作所から早期退職勧告を受け、2002年に自己都合退職する羽目になった)。

 2回目は、2005年(10万人)から2009年(8万人)にかけて約2万人をリストラした。これは、2008年にリーマン・ショックが起き、2009年に半導体不況が訪れたこととは無関係である。というのは、リーマン・ショックより3年前の2005年から社員を減らしているからだ。

 なぜ、Intelは社員を2万人も減らしたのか?

 Intelの事情に詳しい複数の知人によると、当時CEOだったPaul Otellini氏が「効率的な経営」を掲げ、それで社員を2万人減らしたのだという。ところが、この2万人の削減が、その後のIntelに甚大なダメージを与えることになり、それが現在まで尾を引いていると筆者は分析している。以下にその詳細を示す。

 ここで2回のリストラによる開発資源欠乏が根本原因と指摘している。が、これも当然後知恵であって株主への責任が重視される米国企業では当然の対応だったのだろう、ITバブル時は日本企業は同様に厳しいリストラ(会社によっては半導体事業分社化・売却等)に晒されていたのだからご指摘は理解するがこれも後知恵、所詮後知恵。そして:

Intelの今後の行方

 結局、Intelの微細化の混乱は、2014年から10年以上も続いていることになる。そして、その根本原因が、2005~2009年に2万人の社員をリストラしたことにあると考えられる。

 今後、Intelは、2022年から2024年にかけて、3万人以上をリストラしようとしている。このような、Intel史上最大規模のリストラを行う中で、EUVを15層以上使って、初めてGAAを採用しようとしている18Aが予定通り立ち上がるのだろうか? また立ち上がったとして、顧客を獲得できるのだろうか?

 さらに、Intelは2023年12月に、TSMCSamsung Electronicsに先んじて、NA(開口数)が0.55のHigh NAを導入した。Intelは、ことし2024年末までに、High NAを6台導入すると聞いている。だが同社は、NA=0.33のEUVですら、満足に使いこなしているとは言い難い。そのような中で、High NAを6台も立ち上げられるとは到底考えられない。

 何度も言うが、Intelは2万人をリストラしたために、14nm以降の微細化の計画が大きく狂ってしまった。そして今Intelは、それを超える3万人規模のリストラを行いつつある。この大リストラのツケが、Intelの今後にどう影響するだろうか? 筆者は、Intelに明るい未来を描くことができない。読者諸賢は、どう思われますか?

 別に(冷たい)。。。この投稿者さんはご自身の過去にいささか引きずられている印象が否めない。最も重要なのは後知恵による批判に終始し、未来への提案も展望もお書きにならない(なれない)事でこれではここまで読んできた読者は何を得た事になるのだろうか?

 それでは機会主義的経営(当然、リスクは高い)のAMDやプチバブルを満喫するNVIDIAの経営をIntelも参考にせよ・・・とは流石に言わないのだろう。リストラが悪・・・ごもっともだが航空機業界より更にハイリスクな半導体産業ではリストラは避けられない業界であるのは自明で、R&D資源管理と展望が当時のIntel経営陣に欠如していたというありきたりの結論を今更言われても・・・別に(ぼそり)と一読者としては反応せざるを得ない。

 だらだら転記した割に虚しいな(溜息)。。。